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【活動報告】ラトローブ大学David教授との再会—GIERIが描くこれからの「宇宙教育」

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2026年6月25日(水) オーストラリア・ラトローブ大学(La Trobe University)の物理学のDavid教授と、対面でお会いする貴重な機会に恵まれました。 ラトローブ大学は、宇宙空間における放射線の影響や「宇宙生物学(Space Biology)」の分野において、世界最先端の研究と教育を牽引している大学です。同大の研究チームは日本の教育機関とも積極的に連携し、質の高い宇宙教育ワークショップなどを提供しています。 3年前の記憶:国境を越えた「宇宙教育ワークショップ」 David教授とのご縁は、私が前職でギフテッドや2Eの子どもたちのための宇宙教育コースを立ち上げた3年前に遡ります。当時、JAXA宇宙教育センターからのご紹介がきっかけとなり、ラトローブ大学と協働で特別なワークショップを実現させました。 当時の授業で実施したのは、単なる座学ではありません。オーストラリアにあるラトローブ大学の本格的な実験装置を 日本から遠隔で操作する という、子どもたちにとって非常にエキサイティングな挑戦でした。 放射線実験と未知の物質の探求   アルファ線、ベータ線、ガンマ線という性質の異なる放射線が、「紙」「プラスチック」「アルミニウム」「鉛」といった素材でそれぞれどの程度遮断されるのか、実際の数値を測定しました。さらに、その実験データをもとに「隠された未知の物質が何であるか」を論理的に推測するという、高度でアカデミックなプログラムです。 参加したフリースクールの異年齢の子どもたちはペアを組み、年齢の壁を越えて白熱した議論を交わし、最後には自分たちの考察を堂々と発表してくれました。その探究心の深さと目の輝きは、今でも鮮明に記憶に残っています。 今回も短い日本滞在中にワークショップを開催してくれ、生の講義を受けることができました。 月面での生活と「昆虫食」の可能性 また、今回の授業の終盤には3年前にはなかった「月面での持続可能な生活」を見据えたユニークなテーマが提示されました。それが 昆虫食 の研究です。 David教授から「オーストラリアでは、大きなキャタピラー(芋虫)やアリが、宇宙での完全栄養食として期待されている」というお話があると、子どもたちからは大きなどよめきと驚きの声が上がりました。 すかさず私からも、日本の伝統的な昆虫食である「蚕(カイコ)」「イナゴ...

診断名を超えて「その人」を見る―ギフティッド・2E支援における環境調整とアドボカシー

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こんにちは。ギフティッド国際教育研究センター(GIERI)の石川大貴です。 日々、子どもたちの多様な才能や特性と向き合う中で、支援の質をアップデートし続けることは欠かせません。先般(6月19日)、東京都の障害理解と相談援助に関する専門的な研修に参加し、多くのインスピレーションを得てまいりました。 本日は、その研修からの学びをギフティッドや2E(Twice-Exceptional)支援の文脈に紐解き、私たちが大切にすべきプロフェッショナルとしての視点をブログとしてお届けします。 1. 診断名ではなく、目の前の「ありのまま」を見つめる 研修の中で強く強調されていたのは、病名や診断名に惑わされず、ありのままのその人を受け入れることの重要性です。気象学の定義上「台風」が「温帯低気圧」に名前を変えても、強い風や雨という実態は変わらないのと同じように、ある日突然診断名が変わっても、目の前にいる本人が変わるわけではありません。 これは、ギフティッド支援においても極めて重要な視点です。 「IQが高いギフティッドだから、これくらいはできるはず」 「発達の凸凹があるから、こう対応するべきだ」 こうした支援者側の予断や固定観念は無意識の偏見となり、本人が本当に抱えている困難や真のニーズを見えなくしてしまいます。大切なのは、「ギフティッド」というラベルに対する支援ではなく、目の前の「あなたと私」としての対等な信頼関係を築くことです。 2. ICFの視点から考える「環境」へのアプローチ 障害とは、個人の心身機能だけの問題ではなく、環境因子との相互作用によって生活がし難くなった状態を指します。車椅子に乗っている人が2階に行けないのは本人のせいではなく、「階段しかない」という環境が障壁となっているからです。 ギフティッドや2Eの子どもたちも、まさにこの「環境との不適合」による生きづらさを抱えています。 授業の進度が合わず退屈し、苦痛を感じてしまう  聴覚過敏により、教室の雑音がパニックを引き起こす  独自の強いこだわりや関心が、周囲に理解されず浮いてしまう 彼らの持つ突出した能力や特性そのものを無理に社会の枠に押し込める(治療・矯正する)のではなく、学習環境や周囲の接し方といった「環境因子」をどのように調整し、バリアフリー化していくか。これこそが、私たちが取り組むべき本質的な支...

【ご報告】東京都ひきこもりサポートネット団体交流会への参加と、公式リーフレット掲載のお知らせ—「才能」に焦点を当てる新しい支援の形

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本日、東京都ひきこもりサポートネット様が主催する「令和8年度 団体交流会」に、連携団体としてオンライン参加いたしました。 会では、私たちGIERIをはじめとする新規登録団体の紹介が中心となりました。 地域に根ざした「家族会」や、温かく迎え入れてくれる「居場所カフェ」など、多様なアプローチで当事者やご家族に寄り添う他団体の皆様の活動を拝聴し、東京におけるセーフティネットの広がりと力強さを改めて実感いたしました。 同時に、皆様の素晴らしい活動を知れば知るほど、私たちGIERIが担うべき「役割の独自性」がより明確に浮き彫りになりました。 ■ 既存の支援が「合わない」と感じる方々のための受け皿 ひきこもりや不登校の背景は一人ひとり異なります。 中には、高い知能(ギフテッド・2E)や特異な才能、深い論理的思考を持つがゆえに、学校や社会の同調圧力と衝突し、孤立してしまう方々がいます。 そうした方々にとって、従来の「ただゆっくり休むための居場所」や「一般的な就労支援」は、「知的な刺激が足りない」「自分の本質を理解してもらえない」という新たな苦痛を生むケースがあります。 私たちが交流会での自己紹介でもお伝えしたのは、 GIERIはそのような「既存の支援網からこぼれ落ちてしまう層」のための専門機関である ということです。 ■ 東京都の公式リーフレットに掲載されました この度、東京都福祉局が発行する「令和8年度 東京都社会参加等応援事業 リーフレット」が完成し、都内で活動する民間支援団体として、GIERIの情報を掲載していただきました(千代田区の団体としてご紹介いただいています)。 私たちの掲載欄には、あえてこのように記載しています。  「対象:既存の支援が合わない方(ギフテッド・2Eなど)」 私たちは、医療的な「診断」で枠にはめたり、「患者」として扱うことはしません。 企業も導入するAI適性検査(Ai GROW)を用いて、ご本人すら気づいていない「潜在的な強み」を科学的に可視化します。そして、現役エンジニアが教えるIT教室や、多様なバックグラウンドを持つ人々が交わるプロジェクト活動を通じ、その才能を社会へ接続するサポートを行います。 東京都という大きなネットワークの力をお借りしながら、私たちは「福祉」という枠を超えた「才能開発」という独自の切り口で、ひきこもり支援の新しい選択...

才能の裏側にある「見えない葛藤」〜実際の相談事例から〜

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知能検査(WISC等)で高い数値が出る一方で、学校生活では不適応を起こしてしまう。このギャップに苦しむご家庭は少なくありません。ご相談の現場で見えてくるのは、決して「怠けている」「わがまま」なのではなく、本人の脳の処理特性と環境が激しく衝突している姿です。 ここでは、実際にご相談いただいた2つのケース(※プライバシーに配慮して構成しています)から、その見えない葛藤のメカニズムを紐解きます。 ケース1:思考スピードと出力のズレが引き起こす「行動のフリーズ」 【中学生のお子さんの事例】 認知プロファイル: 言語理解・ワーキングメモリが140〜145以上と極めて高い一方、知覚推理・処理速度は100〜110程度。 抱えている困難: 中学1年の夏休み明けから「課題が出せないのが致命的」「学校に行く意味が見出せない」と不登校に。昼夜逆転し、自室にこもって海外プレイヤーとオンラインゲームや開発系コミュニティに没入している状態。 【見えない葛藤のメカニズム】 このケースの最大のポイントは、 「思考力(インプット・処理)」と「作業力(アウトプット)」の間に40以上もの大きな差(ディスクレパンシー)がある ことです。 頭の中では大人のような高度な思考が猛スピードで展開されているのに、それを文字として書いたり、決められた手順で課題として提出したりする「出力機能」が追いつきません。結果として「頭で考えすぎて行動できない(フリーズしてしまう)」状態に陥ります。 親御さんからは「一日中ネットをしていて心配」と見えますが、実はMinecraftの開発コミュニティなどは、本人の圧倒的な知的好奇心と処理スピードを唯一満たせる「安全な居場所(命綱)」になっています。しかし、ネットの世界に居場所を限定してしまうと、見知らぬ大人と金銭のやり取りをしてしまうなど、別の深刻なリスクも生じます。必要なのは「ネットの没収」ではなく、その才能を安全に発揮できる次のステージへの移行です。 ケース2:鋭すぎる記憶力と視覚認知の偏りによる「恐怖と疲弊」 【小学3年生のお子さんの事例】 認知プロファイル: WISCでは知覚推理・ワーキングメモリが130前後。KABC検査では算数は突出して高いが、国語(読み書き)で極端な落ち込みが見られる。 抱えている困難: 小1から不登校傾向。クラスメイトの何気ない言葉や、果たさ...

【GIERI インサイト】AI時代の次世代リーダー育成戦略 — 「摩擦」と「体験」が創り出す究極の競争優位性

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 テクノロジーの進化により、あらゆるプロセスが効率化・自動化される現代。「いかに摩擦を減らし、最短距離で正解に辿り着くか」がビジネスの至上命題となっています。しかし、その「摩擦のない最適化された社会」は、次世代を担う子どもたちから何を奪っているのでしょうか。 カナダを代表する野外教育機関「Fireside Adventures」のCEO ジェフ・ウィリス氏と、GIERIのメンバーとの間で交わされた深い対話から、マーケティングおよび組織戦略の視点で、これからの時代に真に求められる「リーダーシップと教育のあり方」を紐解きます。 1. 「効率化の罠」——スキップされる経験が奪う“人間の器” 対話の中でジェフ氏は、ある若手スタッフを解雇したエピソードを語りました。その理由は、「AIを使えば1分で終わる作業を、1時間働いたと偽って報告した」ためです。 戦略的観点から見れば、AIによる業務の効率化自体は正しいアプローチです。しかし、教育的観点・人材育成の観点では重大なリスクを孕んでいます。ジェフ氏が危惧するのは、 「試行錯誤し、失敗し、リスクを取るプロセス」をスキップし続けることで、結果的に「人間の器(経験の蓄積)」が形成されなくなる という点です。 ビジネスの世界でも、マニュアル化された正解をなぞるだけの組織は、環境変化に対する脆弱性を抱えます。私たちがファイヤーサイドアドベンチャーズと共に目指すのは、あえて不便で予測不可能な自然環境の中で「困難に挑戦し、反骨精神(レジリエンス)を養う」ことです。AIがコモディティ化(一般化)する世界において、実体験に裏打ちされたソーシャルスキルや問題解決能力こそが、最大の競争優位性となります。 2. 「退職代行」に見る、リスク回避社会の限界 予測不可能な事態や、人間関係の摩擦を極端に避ける現代の風潮は、日本における「退職代行サービス」の流行にも表れています。自らの口で辞意を伝え、そこに生じる気まずさや対立と向き合うことを回避する——これは、短期的な精神的負荷を下げる(コストカットの)手法としては有効かもしれません。 しかし、リーダーシップとは本質的に「困難な対話から逃げない」ことから生まれます。コンフォートゾーン(安全圏)に留まり続けることは、中長期的な成長機会の喪失を意味します。GIERIがデザインする教育環境は、子どもたちをただ...

【GIERI活動報告】カナダ×日本:上越でのインクルーシブな国際交流プロジェクトが始動

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  GIERI(ギフティッド国際教育研究センター)が企画・推進する次世代リーダー育成プロジェクトの一環として、カナダのアウトドア教育機関「Fireside Adventures(ファイヤーサイドアドベンチャーズ)」との共同ジャパンツアーが間もなく開催されます。 本ツアーのハイライトの一つとなるのが、新潟県上越市での異文化・インクルーシブ交流プログラムです。先日、Fireside AdventuresのCEOであるジェフ・ウィリス氏が来日し、プログラムの舞台となる 株式会社井手塾 こども未来事業本部 「また明日」 の山崎マネージャー と、具体的な交流内容に向けたキックオフミーティングを行いました。 本記事では、その白熱したミーティングの様子と、今回の交流プロジェクトに込められた教育哲学についてレポートします。 「同情」ではなく「共感」を育む交流 「また明日」は、教育・福祉・フィットネスの視点から、多様な特性や困難(チャレンジ)を抱える子どもたちをサポートしている事業所です。今回のジャパンツアーでは、カナダから訪れる10代の若者たちと、「また明日」に通う中学生・高校生たちとの交流が予定されています。 ジェフ氏がミーティングの中で特に強調したのが、 「Sympathy(同情)」ではなく「Empathy(共感)」の重要性 です。 カナダから来る若者たちの中にも、それぞれ自身の人生において困難や課題を抱えているメンバーがいます。彼らが日本を訪れ、新しい仲間と出会うことは、人生を変えるような特権(Privilege)です。この特権を自分の中だけに留めるのではなく、他者と時間を共有し、互いに学び合い、理解し合うために使うこと。それこそが、双方向の豊かな教育的効果を生み出します。 言葉の壁を越える「食」と「遊び」の力 内気な子どもたちや、外国語でのコミュニケーションに不安を感じる子どもたちが、どうすれば自然に打ち解けられるのか。山崎マネージャーからの率直な懸念に対し、ジェフ氏はこれまでの先住民コミュニティでの経験や野外教育の知見から、以下の具体的なアプローチを提案しました。 プレビジット(事前の短い顔合わせ): 本番の交流日の前日夕方に短い時間だけ挨拶をし、心理的なハードルを下げる。 少人数でのグループ編成: カナダの若者1人に対し、日本の子ども2人という「1対...

【不登校からオックスフォード大へ】数学の天才(2e)が完全オンラインA-Levelで世界を目指す「一点突破」戦略

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  ※本記事の事例は、当機関(GIERI)にご相談いただいた複数のケースを統合し、プライバシー保護の観点から匿名化および一部フィクションを交えて再構成したものです。 「学校に通えない」=「人生の選択肢が狭まる」と絶望していませんか? 特に、特定の分野(数学など)に突出した才能を持ちながら、集団生活や「手書き」「暗記」に極端な苦手さを抱える「2e(Twice-Exceptional:ギフティッドと発達凸凹の併せ持ち)」のお子様にとって、日本の画一的な学校システムは才能を削り取る場所になりかねません。 今回は、「不登校を逆手にとり、オンラインでイギリスのオックスフォード大学を本気で目指す」という進路戦略について、プロのコンサルタントの視点から解説します。 ■ 事例:数学オリンピック級の才能と「ディスグラフィア(書字困難)」の苦悩 中学3年生のハルキ君(仮名)は、数学において大学生〜研究者レベルの卓越した才能を持っています。ノーベル賞学者の専門書を読みふけり、頭の中で複雑な図形をシミュレーションできる天才的な脳の持ち主です。 しかし、彼は現在中学校に通えていません。 知能検査等の結果、彼の脳は「空間認知や高度な数学的推論」が上位数%に入る一方で、「手書きでの大量記述」に著しい困難(ディスグラフィア=書字表出障害の傾向)を抱えていることがわかりました。また、3人以上の集団生活や、暗黙の了解を求められる教室環境にも強いストレスを感じてしまいます。 日本のペーパーテスト(大量の数式を鉛筆で素早く書かせる形式)では、文字を書くという物理的な動作に脳のエネルギーを極端に奪われてしまいます。そのため、彼の本当の思考力は答案用紙に反映されず、実力よりも低い評価を受けて自信を失いかけていました。 ■ 転機:イギリスの「A-Level」とオンラインスクールの発見 そんな中、ハルキ君が自らリサーチして見つけ出したのが、イギリスの大学進学ルートでした。 イギリスの大学では、日本の大学受験のような「全教科まんべんなく」の総合力は求めません。入学時から一般教養がなく、自分の得意な3〜4科目だけに絞って受験できる「A-Level」というシステムがあります。 「 Wolsey Hall Oxford 」という世界的なオンラインスクールを見つけてきました。 ここはイギリス政府公認の教育プロバイダ...