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「失敗しないエリート」が国を滅ぼし、才能を潰す。日本の教育に潜む残酷な連鎖

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 皆様、こんにちは。 GIERI(ギフティッド国際教育研究センター)代表の石川大貴です。 先日出版いたしましたGIERI監修の書籍『世界で学ぶ 異文化を超えて働く』(栂野久登 著)に対し、反響が寄せられています。 本日は、読者からいただいた2つの対照的なご感想と、著者の栂野が語った「ある事実」から、現在の日本の教育、そして国全体を覆う「才能を潰す病」の正体に迫りたい。

【活動報告】15年ぶりの映画館と就職祝い!「映画鑑賞」がひきこもり支援にもたらす意外な効果

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7月11日(土)、久々にメンバー全員が集まるアクティビティを実施しました。 GIERIでひきこもり支援を2024年にスタートしてから時間が経ち、最近ではそれぞれのメンバーが学校に通い始めたり、就職を果たしたりと、嬉しいことに次のステップへと進み始めています。 そのため、全員で集まれる機会が貴重になっているのですが、今回はメンバーからの提案で 「映画館での映画鑑賞」 と 「就職祝いの食事会」 を行いました。 実は今回の「映画館」というアイデア、支援者である私たちにとってはまさに「盲点」でした。 【専門的視点】なぜ映画館が「最高のコミュニケーション・リハビリ」になるのか アクティビティを企画する際、私たちはつい「どうやって交流させるか」を考えてしまいがちですが、メンバーから映画鑑賞の提案を受けたとき、思わず膝を打ちました。 不登校やひきこもりを経験し、対人不安やコミュニケーションに苦手意識を持つ方にとって、映画館は非常に優れた環境なのです。 言葉を交わす必要がない安心感: 上映中は「喋ってはいけない」という明確なルールがあるため、「何か話さなければ」というプレッシャーから完全に解放されます。 「暗闇」がもたらす視線の遮断: 対人不安の多くは「他者からの視線」に対する恐怖です。映画館の暗闇は他者の視線を遮り、スクリーンという同じ方向を全員で見るため、極めて安全でリラックスできる空間となります。 終了後の「共通の話題」の提供: 見終わった後は、無理に話題を探さなくても「あのシーン凄かったね」「あの音楽良かったね」と、自然に情動を共有することができます。 現在、AmazonプライムやNetflixなど家でコンテンツを楽しむ手段はいくらでもありますが、大きなスクリーンと音響、そして 「他者と同じ空間で一つの作品を共有する」 という独特の臨場感は、家では決して味わえません。 15年ぶりのポップコーンと『Michael』 今回鑑賞したのは、マイケル・ジャクソンの伝記映画 『Michael(マイケル)』 です。 参加メンバーが30代半ば以降ということもあり、誰もが知っているスーパースターの物語と、次々と流れる名曲の数々に、すっかり引き込まれていました。 中には「学生の時以来、15年ぶりに映画館に来た」というメンバーも。 両手にポップコーンとコーラを抱え、映画館ならではの体験を心...

「問題児」から「才能ある子」へ。担任交代で劇的に変わるギフテッド児のリアル〜先生という『環境』の絶大な影響力〜

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「うちの子が変わった」のではなく「環境が変わった」 「3年生の時は、学校の話をするだけでお葬式のように暗かったのに、4年生になったら毎日生き生きと通っています」 GIERI(ギフティッド国際教育研究センター)のコンサルティングには、毎年のクラス替えや担任交代の時期(春〜夏)にかけて、こうしたご報告が数多く寄せられます。 お子様自身の人格や能力が、たった数ヶ月で魔法のように変わったわけではありません。変わったのは 「担任の先生」 という、学校における 最大の『環境』 です。 極めて高い認知能力(言語理解や知覚推理など)を持つ一方で、生活面での実行機能(整理整頓や提出物などのルーティン)に弱さを持つギフテッドや2E(非同期発達)のお子様にとって、 「先生の指導スタイル」は、単なる相性の問題を超え、その子の学校生活のサバイバルを左右する決定的な要因 となります。 今回は、GIERIにご相談いただいた小学4年生の男の子のケーススタディを通じて、先生のアプローチがギフテッド児に与える影響の違いを批判的に分析します。 【事例】指導スタイルの違いによる「見立て」の逆転 知能検査(WISC)で非常に高い言語理解と知覚推理を示す一方で、「漢字の反復練習」や「提出物の管理」に強い抵抗と抜け落ちがあるヒカル君(小4)。 彼に対する、3年生時の担任と、4年生時の担任の評価とアプローチは、見事なまでに対照的でした。 ❌ 3年生の担任(管理・統制重視型)の場合 指導スタイル: 「決められたルールを、決められた通りに、期限内にこなすこと」に最高の価値を置く。 ヒカル君への見立て: 「知的な発言はするが、基本的な提出物を出さない、ルールを守れない困った子(=不真面目な子)」 結果:  ヒカル君は「どうせ僕なんかダメなんだ」と強いストレス反応を示し、学校への適応意欲を失いかけていました。 ⭕️ 4年生の担任(プロセス・対話重視型)の場合 指導スタイル: 正解を出すことよりも、「なぜそう考えたのか?」「どういう仕組みか?」という 思考のプロセス を重視するベテラン教員。 ヒカル君への見立て: 「物事の因果関係を深く早く捉える、極めて高い知的好奇心を持った子」 結果: 提出物が出せないことに対し、頭ごなしに叱るのではなく、「なぜ面倒くさいと感じるのかな?どうしたら戦えるかな?」と論理的...

障害者トライアル雇用の「落とし穴」。主観的評価と前日通告が許される制度のままで良いのか?

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障害者雇用において広く活用されている「障害者トライアル雇用制度」。 これは、障害のある方が原則3ヶ月間(精神障害者等の場合は最大6〜12ヶ月)、お試し期間として企業で働き、その間に適性や業務遂行の可能性を見極め、双方合意の上で常用雇用(本採用)への移行を目指す制度です。企業にとっても労働者にとっても、ミスマッチを防ぐための重要なステップとなっています。 しかし、就労支援や定着コンサルティングの最前線に立つと、現在の運用ルールが、必ずしも「働く障害者の心と生活」を守り切れていない現実に直面することがあります。 ■ ある若者のケース:満了直前の「本採用見送り」通告 先日、私が定着支援を担当している発達特性を持つ若者のケースです。彼は大手企業にて、6ヶ月間のトライアル雇用として勤務していました。半年間、一度も投げ出すことなく必死に業務に向き合い、目に見える成果も出していました。しかし、最終的に企業は「本採用見送り」の決断を下しました。 問題は、その「通告のタイミング」でした。企業側から「契約満了となる月末で終了とする」と通達があったのは、なんと期間満了のわずか数日前だったのです。 管轄のハローワークに確認を入れたところ、「トライアル雇用の期間満了による終了の場合、制度上、前日や当日の通告であっても法的な問題(罰則)はない」とのことでした。ただ、担当者は 「とはいえ、大手企業であれば、本人の生活や今後のことへの配慮として、1ヶ月前に書面で通知することが望ましい」 とも苦言を呈していました。当日・前日の告知でトラブルもよく起きているとも話されました。 ■ 企業側のジレンマ:「1ヶ月前通告」の難しさと親心 もちろん、企業側の事情も深く理解できます。 もし「あと1ヶ月でトライアル終了(不採用)です」と事前に伝えてしまった場合、本人のモチベーションが著しく低下し、残りの1ヶ月間をトラブルなく継続して働けるのか、現場が不安を抱くのは当然のことです。 また、「ギリギリまで成長を見守り、なんとか本採用のチャンスを与えたい」という現場の恩情や期待があるからこそ、最終的なジャッジが満了日直前までずれ込んでしまうケースも多いはずです。 しかし、発達特性を持つ方々にとって、「急な予定の変更」や「突然の環境の喪失」は、私たちが想像する以上のパニックと深い絶望をもたらします。罰則がないからといって、...

精神保健福祉の視座から考える、ギフティッド支援の新たな可能性

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こんにちは。ギフティッド国際教育研究センター(GIERI)代表の石川大貴です。 先日、GIERIのギフテッド支援のさらなる向上のため、東京都立精神保健福祉センターで開催された「精神疾患の理解と対応」についての基礎研修を受講してまいりました。講師は、東京都立精神保健福祉センター 所長 石黒雅浩先生。 一見すると、精神疾患の医療的・福祉的アプローチは、ギフティッド(2Eを含む)教育や支援とは異なる領域に見えるかもしれません。しかし、本研修で語られた支援の根底にある哲学は、私たちが日々向き合っているギフティッドの才能育成と困難さの解消に、驚くほど深く通ずるものでした。 今回は、この研修から得た大きな学びを、ギフティッド支援の文脈に紐づけて皆さまに共有したいと思います。 1. 「リカバリー志向」と「ストレングス視点」の共鳴 研修の中で特に強調されていたのが、 「リカバリー」 と 「ストレングス」 という二つの概念です。リカバリーとは、単に病気が治ることを指すのではなく、困難を抱えながらも自尊心を持ち、その人らしい人生を再構築していくプロセスを意味します。また、ストレングス視点とは、問題点や欠点ではなく、その人が本来持っている能力、長所、持ち味、そして夢や希望に着目するアプローチです。 これはまさに、私たちがギフティッド支援において最重要視している姿勢です。ギフティッドの子どもたちは、非同期発達(知的な発達と精神的・身体的発達のアンバランス)や過度激動(OE)により、学校や社会で生きづらさを感じることが少なくありません。彼らの「できないこと」を適応させるのではなく、彼らの突出した「才能(ストレングス)」を信じ、本人が望む独自の人生のゴール(リカバリー)に向けて協働していくこと。支援者には、彼らの可能性を信じ、希望を伝達する能力が求められていると改めて実感しました。 2. 環境調整の重要性:ストレス脆弱性モデルの応用 精神疾患の発症や再燃には、生まれ持った生物学的な脆弱性(調子の崩しやすさ)と、環境因子(ストレス)の双方が関与するという「ストレス脆弱性モデル」が解説されました。 ギフティッドの特性も、これと似た構造で捉えることができます。彼らの高い感受性や鋭敏な感覚(素因)そのものが問題なのではなく、それを取り巻く環境(退屈な授業、理解されない対人関係、過剰な感覚刺激など)との...

【活動報告】巨大な夢を打ち上げろ!「メガ・ペトロケコンテスト」への挑戦とギフテッド教育

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皆様、こんにちは。 ギフティッド国際教育研究センター(GIERI)です。 6月28日(日)、私たちGIERIは、千葉県・横芝光町で開催された「MEGA・PETOROKE CONTEST(メガ・ペトロケコンテスト)」の応援とサポートに伺いました。 知的好奇心や特定分野への並外れた情熱を持つギフテッド・2Eの若者たちにとって、自分の探究心やアイデアをフルに発揮できる「挑戦の舞台」は非常に重要です。今回のコンテストは、まさにそうした情熱を形にし、試行錯誤を経験する最高の学びの場でした。 メガ・ペトロケコンテストとは? 皆さんは「ペットボトルロケット」と聞いて、手のひらサイズのものを想像しませんか? このメガ・ペトロケコンテストは、その常識を覆す「全長4m級の超巨大ペットボトルロケット」を製作し、水と空気圧の力だけで水平方向の飛距離を競う日本初のコンテストです。 かつて私たちの前職の同僚であり、巨大ペットボトルロケットでギネス記録に挑戦し続けてきた 水川勝利先生 。彼の熱い想いから始まったこの活動は、今では多くの人が挑戦する舞台へと進化しています。まるで「鳥人間コンテスト」のロケット版とも言えるような、各チームが技術の粋を競い合う一大イベントへと成長しつつあります。 試練の天候と、世代を超えたチームワーク 大会前日は台風の直撃が予想され、一時は開催が危ぶまれる事態に。しかし、前日20時に実行委員会から「雨天決行」という英断が下されました。 当日は小雨が降る中での開催となりましたが、これこそがリアルなプロジェクトの醍醐味です。コントロールできない自然環境に対して、いかに機体を適応させ、チームの士気を維持するか。 私たちGIERIと協働してきた水川先生のチームには、生徒や学生だけでなく、保護者やOBたちも集結しました。世代を超えたメンバーが一つの巨大なロケットを飛ばすという目標に向けて全力を尽くす姿は、私たちが理想とする「探究コミュニティ」そのものでした。 大空への挑戦、そして結果は… 競技は全チームが3回の打ち上げを行う形式で進められました。 実は、打ち上げるだけでも結構大変です! 水川先生のチームは、なんと 1週目の打ち上げで堂々の1位 に!巨大な機体が水しぶきと音を立てて大空へ舞い上がった瞬間の、あの言葉では言い表せない大興奮は、参加した若者たちの心に深く刻まれたはずです...

【活動報告】ラトローブ大学David教授との再会—GIERIが描くこれからの「宇宙教育」

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2026年6月25日(水) オーストラリア・ラトローブ大学(La Trobe University)の物理学のDavid教授と、対面でお会いする貴重な機会に恵まれました。 ラトローブ大学は、宇宙空間における放射線の影響や「宇宙生物学(Space Biology)」の分野において、世界最先端の研究と教育を牽引している大学です。同大の研究チームは日本の教育機関とも積極的に連携し、質の高い宇宙教育ワークショップなどを提供しています。 3年前の記憶:国境を越えた「宇宙教育ワークショップ」 David教授とのご縁は、私が前職でギフテッドや2Eの子どもたちのための宇宙教育コースを立ち上げた3年前に遡ります。当時、JAXA宇宙教育センターからのご紹介がきっかけとなり、ラトローブ大学と協働で特別なワークショップを実現させました。 当時の授業で実施したのは、単なる座学ではありません。オーストラリアにあるラトローブ大学の本格的な実験装置を 日本から遠隔で操作する という、子どもたちにとって非常にエキサイティングな挑戦でした。 放射線実験と未知の物質の探求   アルファ線、ベータ線、ガンマ線という性質の異なる放射線が、「紙」「プラスチック」「アルミニウム」「鉛」といった素材でそれぞれどの程度遮断されるのか、実際の数値を測定しました。さらに、その実験データをもとに「隠された未知の物質が何であるか」を論理的に推測するという、高度でアカデミックなプログラムです。 参加したフリースクールの異年齢の子どもたちはペアを組み、年齢の壁を越えて白熱した議論を交わし、最後には自分たちの考察を堂々と発表してくれました。その探究心の深さと目の輝きは、今でも鮮明に記憶に残っています。 今回も短い日本滞在中にワークショップを開催してくれ、生の講義を受けることができました。 月面での生活と「昆虫食」の可能性 また、今回の授業の終盤には3年前にはなかった「月面での持続可能な生活」を見据えたユニークなテーマが提示されました。それが 昆虫食 の研究です。 David教授から「オーストラリアでは、大きなキャタピラー(芋虫)やアリが、宇宙での完全栄養食として期待されている」というお話があると、子どもたちからは大きなどよめきと驚きの声が上がりました。 すかさず私からも、日本の伝統的な昆虫食である「蚕(カイコ)」「イナゴ...