【活動報告】「おけ以」の行列と認知ゲームから紐解く、GIERI流・成人ひきこもり支援の現在地

 2026年2月28日(土)、GIERI(ギフティッド国際教育研究センター)では、成人ひきこもり支援の一環として「ランチ&テーブルゲーム交流会」を開催しました。

最近は、就職活動に励むメンバーや、通信制大学の試験期間に追われるメンバーが増え、全員のスケジュールを合わせるのが嬉しい悲鳴をあげるほど難しくなっていました。そんな中、久しぶりに顔を合わせたメンバーたちの活気ある一日の様子をレポートします。


ミシュランも認めた老舗の味:飯田橋「おけ以」への挑戦

今回のランチは、前回の神田餃子館に伺った際、メンバーの1人が「次はここに行きたい!」と候補に挙げていた飯田橋の老舗餃子店「おけ以(おけい)」へ。

1954年創業、ミシュランガイドのビブグルマンにも数年連続で掲載されている超有名店です。噂には聞いていましたが、開店30分前ですでに長蛇の列!早めに到着したメンバーが先に並んでくれていたおかげで、スムーズに合流することができました。

【支援の視点:待ち時間という交流】 実は、オフィスで別のメンバーを待っていた関係で、私と一人のメンバーが15分ほど遅れて合流することに。しかし、行列のおかげで(?)入店には影響せず、先発隊が人数を伝えてくれていたことで「集団の絆」を感じる場面となりました。 約50分の待ち時間も、メンバー同士で近況を報告し合う貴重なアイスブレイクの時間となりました。

 


入店後、ランチ限定の「餃子セット」を全員注文。 パリッとした薄皮の食感と、野菜の甘みが広がるジューシーな餡はまさに絶品。ただ、食べ盛りの若者たちには少し上品なボリュームだったようで、帰りにコンビニでおにぎりやお菓子を買い足すメンバーの姿もあり、「次はもっとガッツリ系かな?」と笑い合う一幕もありました。


午後の部:認知機能をフル回転させるゲーム大会

オフィスに戻り、午後は3つのボードゲームを通じて、社会生活に不可欠な「非言語コミュニケーション」「認知機能」のトレーニングを行いました。

1. トマトマト(発音・滑舌・緊張感)

「トマト」「マト」「マ」「ト」のカードを並べて一気に読み上げるスピードゲーム。

  • 特徴: 人前で声を出すことへの緊張感をほぐしながら、滑舌や音韻認識を高めます。笑いが絶えない一方で、集中力を研ぎ澄ませる良い練習になりました。

2. HANABI(記憶・協力・他者理解)

自分の手札だけが見えず、仲間のヒントを頼りに打ち上げ花火を完成させる協力型ゲーム。

  • 特徴: 「相手が何を求めているか」という意図を読み取る力、そして自分の情報を記憶しておく能力が求められます。自分の考えを押し通すのではなく、チームとしての最適解を探る、高度なコミュニケーション訓練となりました。

3. モンスターレストラン(判断力・時間管理)

砂時計が落ちる前に、次々と注文される料理をモンスターたちに提供するリアルタイム・アクション。

  • 特徴: 常に変化する状況に対し、優先順位をつけて迅速に判断する力が試されます。「時間が迫る」という適度なプレッシャーの中で、いかに冷静にタスクを処理するか。これは就労準備におけるエグゼクティブ・ファンクション(実行機能)の強化に繋がります。


GIERIが大切にしていること

今回の活動を通して感じたのは、メンバーたちの「主体的な成長」です。 行列に並ぶ際の配慮や、ゲーム中のお互いをフォローする言葉掛け。これらはマニュアルで教わるものではなく、こうした「場」を共有することで自然と芽生える感覚です。

私たちは、単に「外に出る」ことだけを目的としていません。 美味しいものを食べ、笑い、時にはゲームで頭を悩ませる。そのプロセスの中で、「自分は集団の一員である」という安心感「他者と関わる楽しさ」を取り戻していく。これこそがGIERI流の伴走型支援です。

次回の企画は、メンバーから「お笑いを見に行きたい!」というアイデアが出ています。みんなで「笑い」を共有する日を今から楽しみにしています。


次回のステップへ

就活や試験で忙しい日々の中でも、こうした「止まり木」のような場所があることが、彼らの次の一歩を支えるエネルギーになります。

「最近、誰とも話していないな」「外の空気を吸いたいけれど、きっかけがない」 そんな思いを抱えている方は、ぜひ一度GIERIの活動を覗いてみませんか?

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