カナダの特別支援教育とは?

カナダの特別支援教育は、発達障害を持つ子どもたちに対して非常に包括的で柔軟なアプローチを取っています。

日本の教育との大きな違いは

「自分のペースで学び、成長できる環境を整えること」に重点を置いていることでしょう。

インクルーシブ教育の実施

普通級でみんなが学ぶ
カナダでは、特別なニーズを持つ子どもたちが普通学級に在籍することが一般的です。特別支援学級ではなく、通常のクラスで教育を受けることが推奨されており、必要に応じて個別のサポートが提供されます。日本の感覚だと「インクルーシブ教育」にあたりますが、そもそも学級を多様な特性のある子どもたちを前提にした集団と考えているため、全てをまとめて「含む」という考えを取り払おうとした考え、「インクルーシブ」という言葉の使用そのものをやめようという動きがあります。

個別教育計画(IEP)
各生徒の特性に応じた個別教育計画(IEP)が作成され、学習目標や必要な支援が明確にされます。IEPは、教師が生徒のニーズに合わせた教育を行うための重要なツールです。

カナダの特別教育計画(IEP)の特徴については、以下の記事を参考にしてください。

具体的なサポート体制

インクルージョンワーカーの配置
特別なニーズを持つ生徒には、インクルージョンワーカーと呼ばれる支援者が配置されることがあります。彼らは、通常の授業において生徒が適切に学べるようサポートを行います。

多様な学習アプローチ
カナダの学校では、発達障害のある子どもたちに対して多様な学習方法が用意されています。例えば、感覚的な休憩を取るための「センサリールーム」や「センサリーパスウェイ」。音に敏感な子ども向けの防音ヘッドホンなど、個々のニーズに応じた環境が整えられています。日本でも整備されているものもありますが、多様な感覚刺激を利用したり、学習内容を個々に柔軟に変えていくのはカナダならではと思えます。インターナショナルスクールでも、カナダの先生は、自身の裁量でさまざまなアプローチをして工夫をしてくれるという話をよく耳にします。

医療と教育の連携
特別支援教育においては、医療機関との連携も重要視されています。発達障害の「診断」を受けた子どもには、教育だけでなく医療的な支援も提供されることが一般的です。


地域ごとの支援の違い

「カナダ式」と称される教育ですが、地域差があるので日本のようにどこでも同じと考えないことが大切です。留学等の場合、その州の教育環境をよく調べる必要があります。

もちろん、州によって「特別支援教育のプログラム」も異なっています。

ブリティッシュコロンビア州では、特別支援が必要な子どもたちが通常の学級に参加しながら、必要に応じて特別な指導を受けることができる体制が整っていることで有名ですが、全ての週が同じわけではありません。

カナダの特別教育計画(IEP)の特徴については、以下の記事を参考にしてください。
https://gieri-jp.blogspot.com/2025/01/iep.html

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