小学校に入学!通常学級(普通級)!それとも特別支援級? どちらににいくべきですか② 授業参加と成績がすべて
通常学級以外の選択肢を少しでも考える親御さんのお子様は、何らかの特性をお持ちなのだと思います。
子どもの特性をありのまま、個性として維持するために、
もっとも必要なことは二次的障害を起こさない教育環境の選択です。
発達障害の治療に、「治療教育」という言葉があります。
医学治療が難しい発達特性に対して、有効な方法は治療教育により二次障害を残さないことにつきます。
同じような知能検査(WISCやWAIS)の結果でありながら、全く異なる人生を歩んでいるケースも少なくありません。
一方は、ドクターとして成功し、
他方は、ひきこもり障害者として人生を送っているというケースが実際にあります。
いかに、二次障害の影響が大きいかを物語っている例です。
二次障害を防ぐ最大のポイントは、学校生活をどのように送るかです。
日本の教育制度への問題点は別にして、学校に入学する際に「日本の学校体制」を考慮して、学級を選択してあげることが大切でしょう。
日本の学校とは学級が単位で集団教育が実践される場所です。
先生という大人が学級単位で子どもをリードすることで、様々なことを柔軟に学ばせていくことを可能にしています。
同時にこのような集団が成立するためには、学校という「枠」に参加者が従うことが必要不可欠です。学校生活を送るための基本的なルールすら守れないのであれば、IQの高さに関係なく、スタート時点では特別支援の対応が必要なのです。
もっとも大事な原則は、「授業に参加できる」か、ただ一点につきます。
授業に参加できるとは、45分間、着席でき、教師の指示に困惑せずに従えることです。
座っていられない、
教室から飛び出す、
わからずただ座っているだけは、参加できていません。
着席して脳内ファンタジーに没頭したり、乖離により意識を自由に体外へ飛ばすような過ごし方ではないということです。
テストを受けた際、5割以下にならないこと。学校のテストで点数がとれないということは、カリキュラムが不適切であるということです。
テストの成績は関係ない、別にテストが出来なくても学校でみんなと過ごしてくれれば・・・という親御さんもいますが、点数という結果は、クラスの中の評価に関わってきます。スクールカーストに影響するのです。
テストの結果は学習成果です。それが高くない環境では、達成感を得ることが出来ません。無力感と自己イメージの歪み、強いては情緒的な問題に発展します。
子ども自身がそこそこやれている自信のある環境でなければ、情緒的にこじれてしまうのです。
勉強なんてできなくてもいい、集団の中で友達をつくって社会性を身につけてくれれば・・・という親御さんは非常に多いですが、勉強の出来不出来は、日本の学校生活の中で、高いウエイトをしめています。それを補って余りあるほどの、スポーツや音楽、芸能の才能があり一目置かれているのであれば、話は変わりますが、そのような状況でなければ、普通級での学校生活はハードルが高いと考えた方が良いでしょう。学校生活の基本ルールに従えないような状況があれば、それは叱責の対象となり、周りの子どもたちからも非難といじめの対象になりかねないのです。
日本のこのような同質的な環境、同調圧力を問題にしたとしても、現状お子様が受ける影響を変えるのは非常に難しいと思います。
■ イーロン・マスクの話
テスラの創業者イーロン・マスクが「発達障害(自閉症)」というような話があります。彼は特異な能力をもっていたにもかかわらず、南アフリカでの悲惨な学校生活によって劣等感やトラウマを植え付けられたという逸話は有名です。
マスクはひとりぼっちでひどいいじめにさらされ、何年もいじめられ続け転校を余儀なくされています。受けた暴力により顔の手術をうけなければならないほどでした。
そんな彼の人生を一転させたのがカナダの教育環境だと言われています。
誤解を恐れずに申せば、カナダのクイーンズ大学という名門でも優秀でない大学にいったことで自信を取り戻せたというのです。超優秀なエリート揃いの名門校に入って、単位を取るのに四苦八苦するより、少し頑張ればトップを取れる環境でのびのび過ごしたことで自分を自由に発揮できたのがよかったというのです。自閉的なマスクが積極的に人前で自信をもって夢を語れるようになったのは、クイーンズ大学の学生になったからだ、という説があります。
参考になるかもしれません。
↓ 以下の記事も参考にしてください。
小学校に入学!通常学級(普通級)!それとも特別支援級?①
どちらにいくべきですか?
小学校に入学!通常学級(普通級)!それとも特別支援級?③
どちらににいくべきですか。③ まずは通常級!?
周りのお友達が助けてくれるから、「通常学級にいく」は正しい?
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ギフティッド国際教育研究センター
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