「東大卒なのに、なぜ…」元政策秘書の嘆きが暴く、日本のエリート教育の致命的な欠陥
先日、私が民主党の議員秘書として駆け出しだった頃に大変お世話になった大先輩と、久しぶりに食事をする機会がありました。長年、政策秘書・秘書官として他党も含め政策立案の中枢を担い、霞が関の官僚たちと日々渡り合ってきた、私が最も尊敬する人物の一人です。
昔話に花が咲く中、私がギフテッド教育の必要性について語る中で、ふと先輩から問いかけられた一言が、私の心に深く突き刺さった。
「私は秘書を何十年とやってきたけど、永田町や霞が関で、東大出のエリート官僚を一度も『頭がいい』と思ったことが全くない」
それどころか「馬鹿だとしか思ったことがない」と話した上で、そうでないなら、戦略的に「馬鹿を演じている」のだと思うと話した。
日本の頭脳の頂点であり、最難関の試験を突破してきたはずの彼ら。その彼らが、なぜ政治の最前線で戦ってきたプロの目には「頭がいい」と映らないのか。その言葉の裏には、単なる個人の能力批判ではない、日本の社会システムが抱える根深く、そして極めて重要な問題が隠されていると考えられる。
「正解を出す天才」が「答えのない問題」に直面したとき
先輩が言うには、野党からの厳しい質問や、前例のない課題に直面したとき、多くのキャリア官僚は驚くほど機能不全に陥るというのです。
「彼らは用意された答弁書を読むのはうまい。でも、少し角度を変えた質問をすると、途端に『確認します』『分かりません』を繰り返す。むしろ、同じ部署に何十年もいるノンキャリアの課長の方が、よほど話が通じるし、問題の本質を理解している」
これは一体、何を意味するのか。
それは、日本の「メリトクラシー(能力主義)」が、“ペーパーテストで高得点を取る能力”という、たった一つの物差しでエリートを選抜してきたことの限界を示しています。
東大入試や国家公務員試験は、膨大な知識を記憶し、複雑な問題を論理的に解析し、決められた時間内に「唯一の正解」を導き出す能力を測るものです。この競争を勝ち抜いてきた彼らは、間違いなく「正解を探す」ことの天才です。
しかし、私たちが直面する現実の社会課題——少子高齢化、経済の再生、国際関係の再構築——に、「唯一の正解」など存在するでしょうか?
先輩との会話で見えてきたのは、「正解を出す能力」は極めて高い一方で、「正解のない問いを立て、多様な人々と対話し、全く新しい答えを創造する能力」が決定的に欠如している、という日本のエリートたちの姿でした。
才能を殺すシステム:メリトクラシーの罠
さらに問題なのは、せっかく選び抜かれたその才能すらも、霞が関のシステムが食い潰してしまっている現実です。
専門性を阻むローテーション人事: 2〜3年で全く違う部署に異動させることで、深い専門知が育つことを妨げます。
減点主義と忖度文化: 新しい挑戦で100点を狙うより、前例を踏襲して失敗しない70点を目指すことが評価されます。政治家や上司の顔色を窺い、波風を立てないことが最優先されるのです。
批判的思考の欠如: システムの中で生き残るためには、既存の枠組みを疑う力よりも、それに順応する力が求められます。
結果として、本来は社会の課題解決のために使われるべき高い知性が、組織の論理を守り、手続きを完璧にこなすためだけに費やされていく。これは、F1のエンジンを積んだ車に、時速40キロで走り続けることを強いるようなものです。これほど大きな才能の浪費はない。
「ギフテッド」の視点から、日本の未来を考える
この根深い問題の解決なくして、日本の未来はない。先輩との会話は、私にその確信を改めて抱かせてくれました。そして、これこそが、私が「GIERI(ギフティッド国際教育研究センター)」を設立し、ギフテッドの支援に情熱を注ぐ理由の核心でもあります。
誤解されがちですが、「ギフテッド」とは、単にテストの点数が高い子供のことではありません。それは、分析能力、創造性、芸術性、共感性、リーダーシップなど、一人ひとりが生まれながらに持つ、ユニークで突出した才能(Gift)そのものを指します。
日本のメリトクラシーは、この多様な「Gift」を無視し、「テストで測れる能力」という一面的な物差しで子供たちを序列化し、才能を画一的な型にはめ込んできました。その結果が、先輩が嘆いた「頭はいいはずなのに、使えない」エリートの姿なのです。
GIERIが目指すのは、この画一的な物差しから子供たちを解放し、一人ひとりの内なる「Gift」を見つけ、それを社会の中で最大限に輝かせることができる教育です。
分析が得意な子、絵を描くのが得意な子、人の気持ちを察するのが得意な子。それぞれの才能が等しく尊重され、その能力を存分に発揮できる社会。それこそが、複雑で予測不可能な未来を乗り越えていく、真に豊かで強い社会ではないでしょうか。
「正解を探す教育」から、「自ら問いを立て、仲間と協働し、新しい価値を創造する教育」へ。
先輩との夜は、私たちの進むべき道が間違っていないことを、改めて強く確信させてくれる、忘れられない一夜となった。
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