日本とのカナダの教育の違い④ キャリアライフ教育

キャリアライフ教育は幼稚園から高校3年生で卒業するまでカリキュラムに入っています。ただ一つ職業を選択するというよりは、人のキャリアは人生の「旅」と考えられ、キャリア教育カリキュラムは学生にとって、個人的に意味のある目標志向の旅を追求する機会を提供することを目的としています。

幼稚園から小学校3年生までは、自分の得意なことを見つけていくこと、そして周りの人とコミュニケーションをとる大切さ。地域社会で生活する事は、家族や地域とのつながりを持ち、共通の目標に向かって協力して働くことで生まれる事。地域社会を発展していくためには、色々な人が色々なスキルや職業を持つことで、成り立つことを教えます。

小学校4年、5年で学習することは、 自分の強みや能力を把握することで、目標を明確にする事、他の人から自分がどう思われるか、みられるかは、個人の選択や決定に影響される事、家族や地域との関係は、問題解決や意思決定の際に支援や指導の源となる事。

良い学習習慣や働き方は、短期的および長期的な個人の成功やキャリアの成功に寄与する事、 リーダーシップには、他者の考えを聞き、尊重することが必要である事など、社会性の基礎を身につけていきます。

小学校6年、中学1年に入るといよいよ職場についての知識に入ります。職場では、周りの人に敬意を持ち、倫理的で包括的な行動を実践することが重要である事。自分個人のデジタルアイデンティティは、 公のアイデンティティの一部を形成する事。安全な環境は、全員が安全ルールを守ることに依存している事。学校内外の新しい経験は、キャリアのスキルセットや選択肢を広げていく事。リーダーシップは、良い計画、目標設定、そして協力が大切である事を学びます。

中学2年、3年からは実際に自分の好みやスキルを理解し、将来の職業選択に必要な知識を身につけて行きます。経済や労働市場の変化に適応するには、柔軟性が求められる事、私たちの生活、コミュニティ、社会における仕事の価値は、多様な視点から考えることができる事、学習目標を達成するには、努力と忍耐が必要である事も学びます。

キャリアライフ教育では、主に個人の人生設計のたてかた、計画、世界情勢、経済を踏まえた職業選び、生涯教育の大切さなどを学びます。簡単にいえば、「これから社会の一員として生きていくために大事なこと」を学ぶ教科です。

キャリアライフ教育のカリキュラムとして、どんなことを学ぶかは、担当する教師によって様々です。

就職活動の模擬面接があったり、自分の進学したい大学や就きたい職業や業界について調べてレポートにまとめるという授業や、株や投資を学ぶためのシミュレーションゲームをやったりすることもあります。

 

例えば、将来起業に興味がある生徒さんが、実際に社会の動向を調査し、デジタルスキルを身につけ、実際にオンラインの英語教室を始めた生徒さんがいます。

また、勉強は苦手だけれど、子供と関わる事が好きで、野外活動が好きだった生徒さんは野外教育のインストラクターのプログラムに大学で参加して、実際にインストラクターとして活躍している方もいます。

ジュエリー制作に興味がある場合は、すでにジュエリー制作の現場で活躍している「メンター」と呼ばれる先輩と交流することで、経験者の意見をきいたりして自分の将来について考えていきます。


以下の記事もご参考にしてください。

日本とカナダの教育の違い①

日本とカナダの教育の違い② 自分にあった選択肢が見つけられる


日本とカナダの教育の違い③ プロが教えるから、即戦力のプロが育つ


日本とカナダの教育の違い⑤ 受験も、浪人もない。

とにかく褒めて育てられるカナダの子どもたち

https://gieri-jp.blogspot.com/2025/03/blog-post_04.html


日本とカナダの教育の違い⑥ グループリサーチ、課題発表が多い

https://gieri-jp.blogspot.com/2025/03/blog-post_05.html



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