周りのお友達が助けてくれるから、「通常学級にいく」は正しい?

発達特性のあるお子様が、小学校入学に際して、仲の良いお友達が助けてくれるから、「通常学級」で大丈夫だと思います、と答える親御さんがいます。

現に、保育園や幼稚園で色々とお世話をしてもらっており、園でもうまくいっている場合が多く、そのような状況を学校でも期待するのでしょう。

周りの親御さんや、そのお友達にも直接、「入学してもヨロシクね」と声をかけている場面も見かけます。

入学後、うまくいくでしょうか?

もし本当に周りに支援をしてもらい、支援無しでの学校生活が難しいのであれば、通常級の選択を私はおすすめしません。

幼少期のお友達関係は、いくら親御さんが仲良しでも、例え親類でも恒久的に維持されるものではありません。学校のクラス内の人間関係や力学、周りの個自身の成長ともに変わってくるものです。

不登校関係の相談で、よくきくのが、仲の良い友達と疎遠となった、というものです。お友達の支援を前提にするのであれば、様々な問題を引き起こすことになるでしょう。そして、運良く、小学生時代が過ごせたとしても、中学になるとさらに人間関係は変わります。小中高一貫校ですごしたとしても、大学ではバラバラになってしまいます。

仲の良いお世話をしてくれる友達なしでクラスで過ごせないというのは、とても不健全なことなのです。

通常学級で、助けられながら学校生活を送るということのプラス面を見るとすれば、それは本人以外のクラスの同級生です。人間には様々な障害や特性がありサポートが必要なことを知ることは、ニューロダイバシティー教育においてとても重要です。お世話する子には大変なメリットがあるでしょう。障害者のお世話をさせることで、子どもの気力を回復させるというプログラムもあるくらいです。

しかし、特性をもつ子ども自身には何もメリットはありません。幼いときに、同級生に助けられなければ学校生活を過ごせないということが、自尊感情を傷つけているかもしれません。また、周囲の親しい誰かに助けてもらうことが当然だと考えてしまうことが、その子の特性理解とできるとをできるようにする教育の機会を奪ってしまいかねません。

その子どもが成人になって、何をみにつけているべきか、それを逆算して考えるのが特別支援教育です。周りに助けてもらうことを前提にせず、自分のできるを増やすために、適切な教育環境を選択することが必要です。


↓ 以下の記事も参考にしてください。

小学校に入学!通常学級(普通級)!それとも特別支援級?①
どちらにいくべきですか?

小学校に入学!通常学級(普通級)!それとも特別支援級?②授業参加と成績がすべて

小学校に入学!通常学級(普通級)!それとも特別支援級?③
どちらににいくべきですか。③ まずは通常級!?

周りのお友達が助けてくれるから、「通常学級にいく」は正しい?

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