【GIERIプログラム体験記】6歳・8歳と挑む香港「ドラゴンズバック」。絶景の感動と、トイレという「現実」

 2026年1月10日、GIERIスタッフは6歳・8歳の子供と共に香港の名峰「ドラゴンズバック」へ。 教育プログラム作成の視点で挑んだ今回のハイキングは、「図鑑では学べない空間認識」の獲得という大きな成果と、「トイレ問題」という切実な課題を浮き彫りにしました。ガイドブックには載っていない、親目線のリアルなレポートをお届けします。


1. 子供の感性が開く瞬間:「絵じゃない、本物だ」

今回のハイキングで最も収穫だったのは、子供たちの「視座の変化」です。 登り始めてしばらくすると、子供がこう漏らしました。 「島がどんどん小さくなっていく!」 自分の足で登る行為と、視界の変化がリンクし、「高さ」を身体感覚として理解した瞬間です。そして頂上では、 「こんな高いところから見る景色は初めて。絵じゃないのが凄い。ずっと見ていたい」 と、360度のパノラマに釘付けになりました。デジタルネイティブな世代だからこそ、風や光を感じる「解像度無限大」の現体験が強烈に響いたようです。



2. 食事事情:頂上でピクニックはできるか?

結論から言うと、「山頂でのんびりランチ」は推奨しません。

  • 理由1: 山頂は狭く、次々と登山者が来るため占有するのが申し訳ない状況です。

  • 理由2: 子供たちは興奮しており、あまりお腹が空きませんでした(遅めの朝食の影響もあり)。 GIERIからの推奨: お弁当を広げるのではなく、「5分でサッと栄養補給できるもの(ゼリー飲料や個包装のバーなど)」がベストです。駅のコンビニでは日本式のおにぎりやパンも売っています。手軽にすませるモノが良いでしょう。水分補給:大人で1.5リットルが推奨されています。子どもたちにも1リットル分の水分を用意しましょう。私たちは、水500mlとスポーツドリンク500mlを持参しました。

  • 中国の方々が切り立った岩場で休憩していました(dangerと掲示あり)が、子連れには少しハードルが高いかもしれません。

3. 意外なトラップ:バス乗り場の「右と左」

スタート地点への移動にも学びがありました。MTR筲箕湾(シャウケイワン)駅での選択です。

  • A3出口: 公共バス(9番)ターミナル。安価で定石通り。






  • A2出口(左へ進む): ミニバス乗り場。今回はこちらを利用。出口を出た瞬間にミニバスの呼び込みがあり、流れで乗車しましたが、結果的に「ノンストップで速い」「確実に座れる」ため、行きの選択としては正解でした。公共バスは降りる場所をしっかり確認しながらいかなければなりません。ミニバス(緑):13 HKD/人(2026年1月時点)



  • A2出口(右へ進む):公共バス乗り場につながっており、A3出口に合流する形に。一般にA2出口が公共バス乗り場と書かれているのですが、右に進まないと、客引きのいるミニバスの方へ流れてしまうので注意が必要。


  •  帰りは公共の2階建てバスを利用。子供たちは2階最前列のアトラクション感を楽しみました。オクトパスカードが便利ですが、現金(お釣りなし)でも乗車可能です。料金は大人 9.5 HKD ※子供料金(3歳〜11歳)は通常半額(約4.8 HKD)が適用されます。



4. 最大の教訓:ルート変更を決めた「トイレ問題」

本来はビーチへ降りる計画でしたが、登頂後に「来た道を戻る」決断をしました。 ガイドブック等では「ビッグウェーブベイ(ビーチ)」まで降りるルートが一般的ですが、今回は「土地湾スタート→山頂→来た道を戻る(ピストン)」というルートを選択しました。

 理由は、6歳児の「トイレ(大)」問題です。 ドラゴンズバックのルート上にはトイレが一切ありません。あるのはスタート地点の簡易トイレ(衛生面はそれなり)と、ゴール地点の公衆トイレのみ。 山中で用を足す(キジ撃ち)というサバイバルな選択肢もありますが、今回は子供の心情と衛生面を考慮し、最短で戻れるピストンルートを選択しました。中国人女性登山客は多分茂みの中で用を足していました・・・

ただし、トイレの問題さえなければ、体力的には全行程を6歳でも可能だと判断します。

教訓: スタート地点のトイレ環境はきれい好きの方は厳しいため、駅で確実に済ませておくことが、完歩への絶対条件です。しかも、トイレは大行列です!


  • 所要時間: 11:15登山開始〜12:10登頂。片道55分。

  • ポイント: 大人の足なら40分ですが、子供のペースに合わせて植物を見たり、景色を楽しんだりすると約1時間。この「余白」こそが、子供の探究心を育てる鍵となります。



  • 水分補給のリアルデータ 「冬だから水は少なくていい」は間違いです。

    • 消費量: 6歳・8歳ともに、往復で約900mlを消費(持参した1Lがほぼ空)。

    • 食料: おにぎりは未摂取。登ることに夢中だったためか、あるいはアドレナリンが出ていたためか、行動食よりも水分補給が優先されました。


1月の服装戦略「風を読む」 当日は晴天でしたが、香港の冬山を甘く見てはいけません。

  • 子供の装備: ヒートテック+長袖シャツ+薄手のウインドブレーカー

  • 注意点: 登り始めは暑いですが、尾根に出ると遮るものがなく、風が体温を奪います。「フード付きの上着」と「帽子」は必須装備でした。


5. 安全管理:下山こそ慎重に

下山時は足取りが軽くなりますが、砂や岩で滑りやすく、手すりもありません。 重力に任せて走り出すと、転倒して大怪我につながる岩場が多々あります。


  • 「走らない」を徹底させる。

  • 緊急連絡先を確認しておく(携帯の電波は良好です)。

  • 登山口には緊急電話も設置されています。


まとめ

トイレという生理的な課題さえクリアできれば、ドラゴンズバックは小学1年生でも「世界が変わる景色」に出会える最高のフィールドです。この「成功体験」と「準備の重要性」をセットで学ぶことが、GIERI流の野外教育です。


ドラゴンバックの登山・ハイキングのプログラム詳細はコチラ


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