【GIERI活動報告】カナダ×日本:上越でのインクルーシブな国際交流プロジェクトが始動
GIERI(ギフティッド国際教育研究センター)が企画・推進する次世代リーダー育成プロジェクトの一環として、カナダのアウトドア教育機関「Fireside Adventures(ファイヤーサイドアドベンチャーズ)」との共同ジャパンツアーが間もなく開催されます。
本ツアーのハイライトの一つとなるのが、新潟県上越市での異文化・インクルーシブ交流プログラムです。先日、Fireside AdventuresのCEOであるジェフ・ウィリス氏が来日し、プログラムの舞台となる株式会社井手塾 こども未来事業本部「また明日」の山崎マネージャーと、具体的な交流内容に向けたキックオフミーティングを行いました。
本記事では、その白熱したミーティングの様子と、今回の交流プロジェクトに込められた教育哲学についてレポートします。
「同情」ではなく「共感」を育む交流
「また明日」は、教育・福祉・フィットネスの視点から、多様な特性や困難(チャレンジ)を抱える子どもたちをサポートしている事業所です。今回のジャパンツアーでは、カナダから訪れる10代の若者たちと、「また明日」に通う中学生・高校生たちとの交流が予定されています。
ジェフ氏がミーティングの中で特に強調したのが、「Sympathy(同情)」ではなく「Empathy(共感)」の重要性です。
カナダから来る若者たちの中にも、それぞれ自身の人生において困難や課題を抱えているメンバーがいます。彼らが日本を訪れ、新しい仲間と出会うことは、人生を変えるような特権(Privilege)です。この特権を自分の中だけに留めるのではなく、他者と時間を共有し、互いに学び合い、理解し合うために使うこと。それこそが、双方向の豊かな教育的効果を生み出します。
言葉の壁を越える「食」と「遊び」の力
内気な子どもたちや、外国語でのコミュニケーションに不安を感じる子どもたちが、どうすれば自然に打ち解けられるのか。山崎マネージャーからの率直な懸念に対し、ジェフ氏はこれまでの先住民コミュニティでの経験や野外教育の知見から、以下の具体的なアプローチを提案しました。
プレビジット(事前の短い顔合わせ): 本番の交流日の前日夕方に短い時間だけ挨拶をし、心理的なハードルを下げる。
少人数でのグループ編成: カナダの若者1人に対し、日本の子ども2人という「1対2」の無理のない比率で活動する。
「共に食べる」時間の共有: 言葉が通じなくても、「食」は万国共通のコミュニケーション。カナダから本物のメープルシロップを持参して一緒にパンケーキを焼いたり、マシュマロを使った「スモア」を作ったりして、同じ釜の飯を食う体験を重視する。
大人がすべてを段取りするのではなく、「子ども同士がどう遊ぶか」に焦点を当て、カナダの若者たち自身にリーダーシップを発揮して企画させるという実践的な学びの場でもあります。
コンフォートゾーンは「抜け出す」のではなく「広げる」もの
スマートフォンの普及などにより、現代の子どもたち(そして大人たちも)の「コンフォートゾーン(安心できる快適な領域)」は世界中で狭まりつつあります。
ジェフ氏は、「無理にコンフォートゾーンから引きずり出すのではなく、新しい挑戦を通じてその領域を広げていくこと」が重要だと語りました。そのための具体的なアクションとして、上越の自然や街並みを感じながらの自転車(サイクリング)体験や、将来的にはロープやタープを使ったランドベース・ラーニング(野外教育)の導入も視野に入れています。
自転車に乗って風を感じること、転んでも再び立ち上がること。これらはすべて、子どもたちの自信に繋がり、彼らの世界を広げる強力なツールとなります。
GIERIが目指す「インクルーシブな未来」
「すべての子どもは正常であり、問題なのは子どもを取り巻く世界の見方の方である」
これは、Fireside Adventuresが掲げるインクルーシブの理念であり、私たちGIERIの目指すビジョンとも深く共鳴するものです。どんな特性を持っていても、「あなたはここにいるべき存在なんだ」と肯定し合える環境を作ること。
上越の地で、株式会社井手塾・「また明日」の皆さまと、カナダの若者たち、そしてGIERIが協働し、どのような化学反応が生まれるのか。来月のジャパンツアー本番に向けて、着々と準備を進めてまいります。
今後の活動報告にもぜひご期待ください!
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