投稿

7月, 2026の投稿を表示しています

障害者トライアル雇用の「落とし穴」。主観的評価と前日通告が許される制度のままで良いのか?

イメージ
障害者雇用において広く活用されている「障害者トライアル雇用制度」。 これは、障害のある方が原則3ヶ月間(精神障害者等の場合は最大6〜12ヶ月)、お試し期間として企業で働き、その間に適性や業務遂行の可能性を見極め、双方合意の上で常用雇用(本採用)への移行を目指す制度です。企業にとっても労働者にとっても、ミスマッチを防ぐための重要なステップとなっています。 しかし、就労支援や定着コンサルティングの最前線に立つと、現在の運用ルールが、必ずしも「働く障害者の心と生活」を守り切れていない現実に直面することがあります。 ■ ある若者のケース:満了直前の「本採用見送り」通告 先日、私が定着支援を担当している発達特性を持つ若者のケースです。彼は大手企業にて、6ヶ月間のトライアル雇用として勤務していました。半年間、一度も投げ出すことなく必死に業務に向き合い、目に見える成果も出していました。しかし、最終的に企業は「本採用見送り」の決断を下しました。 問題は、その「通告のタイミング」でした。企業側から「契約満了となる月末で終了とする」と通達があったのは、なんと期間満了のわずか数日前だったのです。 管轄のハローワークに確認を入れたところ、「トライアル雇用の期間満了による終了の場合、制度上、前日や当日の通告であっても法的な問題(罰則)はない」とのことでした。ただ、担当者は 「とはいえ、大手企業であれば、本人の生活や今後のことへの配慮として、1ヶ月前に書面で通知することが望ましい」 とも苦言を呈していました。当日・前日の告知でトラブルも起きているとも話されました。 ■ 企業側のジレンマ:「1ヶ月前通告」の難しさと親心 もちろん、企業側の事情も深く理解できます。 もし「あと1ヶ月でトライアル終了(不採用)です」と事前に伝えてしまった場合、本人のモチベーションが著しく低下し、残りの1ヶ月間をトラブルなく継続して働けるのか、現場が不安を抱くのは当然のことです。 また、「ギリギリまで成長を見守り、なんとか本採用のチャンスを与えたい」という現場の恩情や期待があるからこそ、最終的なジャッジが満了日直前までずれ込んでしまうケースも多いはずです。 しかし、発達特性を持つ方々にとって、「急な予定の変更」や「突然の環境の喪失」は、私たちが想像する以上のパニックと深い絶望をもたらします。罰則がないからといって、生活...