「失敗しないエリート」が国を滅ぼし、才能を潰す。日本の教育に潜む残酷な連鎖

 皆様、こんにちは。

GIERI(ギフティッド国際教育研究センター)代表の石川大貴です。

先日出版いたしましたGIERI監修の書籍『世界で学ぶ 異文化を超えて働く』(栂野久登 著)に対し、反響が寄せられています。

本日は、読者からいただいた2つの対照的なご感想と、著者の栂野が語った「ある事実」から、現在の日本の教育、そして国全体を覆う「才能を潰す病」の正体に迫りたい。


▼ 多くの反響を呼んでいる話題の書籍はこちら 『世界で学ぶ 異文化を超えて働く』(GIERI監修 / Kindle Unlimited対応) https://www.amazon.co.jp/dp/B0GZVFRPSS

15年ひきこもる超エリートと、「失敗しない」銀行員

1人目のご感想は、現在15年間ひきこもり状態にある息子さんを持つお母様からのメッセージです。息子さんは、トップ進学校から東京大学、そして東大大学院へと進学した「超エリート」でした。

「本の中の『7勝3敗』の考え方は、『白か黒か』『100か0か』の思考を持っている子に伝えていきたいと思いました。わが子にどう『生き抜く力』を授ければいいのか、とても勉強になります」

高い学力を持ちながら、なぜ社会に出る手前で折れ、15年も立ち直れなくなってしまったのか。この痛ましい現実の根底には、日本社会の構造的な病が潜んでいます。

現在71歳となる著者の栂野は、かつて国際投資銀行でしのぎを削っていた時代、自身の同僚であるエリート銀行員たちを見てこう述懐しています(著書の中でも触れられています)。

「彼らの最大の関心事は『とにかく失敗しないこと』だった。なぜなら、日本の組織では、挑戦して3回失敗し7回勝つ人間よりも、何も挑戦せずに0回失敗した人間の方が出世するからだ」

私は、この「失敗しない(減点されない)エリートたち」こそが、高度経済成長後の日本のイノベーションを止め、「失われた30年」という泥沼の停滞を作った元凶であると考えています。

レールが敷かれた時代には「ミスをしない歯車」が重宝されました。しかし、正解のない時代に突入した途端、彼らは自らリスクを取って決断することができず、国全体が沈みゆくのをただ傍観することしかできなかった。


リスク排除の罠:教育熱心な親が陥る「衰退の再生産」

ここで、2人目のご感想をご紹介します。小2と年長のお子様を持つ、教育熱心なPTA会長のお母様からの率直なご意見です。

「本の内容は素晴らしいし、子育てに必要なのはわかります。でも、栂野氏のような危険な経験は、自分の子どもには絶対にしてほしくないです」

親として、わが子を危険から遠ざけたいと願うのは極めて真っ当な愛情表現です。しかし、厳しい言い方になるが、これこそが日本を衰退させた「失敗しないエリートのパラダイム」の完全な再生産に他ならないのではないか。

「危ない目に遭わせたくない」「傷ついてほしくない」と先回りして障害物を取り除く「無菌室の教育」。その行き着く先は、どこにも挑戦せず、ただミスをしないことを至上命題とする小粒な人間の量産です。そしてその究極の犠牲者が、一度の想定外のつまずきで「100が0になった」と絶望し、立ち直る力(レジリエンス)を持てなかった前述の「ひきこもりの東大生」なのです。

ギフティッドの規格外の才能や、子どもたちが本来持っているスケールの大きさは、「危ないから」という善意の同調圧力によって削り取られ、日本の子どもたちは世界で戦うための「野性の知性」を奪われているのです。


▼ 泥臭く生き抜く「野性の知性」と「7勝3敗の哲学」の全貌 https://www.amazon.co.jp/dp/B0GZVFRPSS


才能を開花させる「計算されたリスク(安全な修羅場)」

AI時代を生き抜く結果は欲しがるけれど、泥臭い失敗や摩擦は本能的に避ける。この矛盾を打ち破らなければ、子どもたちに未来はありません。

もちろん、子どもを無防備に戦火やマフィアの前に放り出す必要はない。必要なのは、大人が安全を担保した上での「計算されたリスク(安全な修羅場)」を経験させる環境です。

例えば、カナダ発の次世代リーダーシップ・プログラム「Fireside Adventures」は、まさにこの課題への明確なアンサーであり、日本のプログラムである「World Bound Japan」でもその哲学が実践されています。大自然という予測不可能な環境に身を置き、多様な仲間と協働するプログラムは、教室では決して教えられない「摩擦」を生み出します。転んで、泥を被って、それでも立ち上がるという「疑似的な修羅場」の経験こそが、AI時代をサバイブする「非認知能力」を鍛え上げるのです。

親の真の優しさとは何か

安全な道だけを歩ませることが、親の真の優しさではありません。 子どもが「3回の負け」を経験するのをじっと見守り、痛みを伴いながらも「7回の勝ち」を自らの手で掴み取る力を信じて送り出すこと。

国全体を覆う「失敗を極端に恐れる病」から抜け出し、お子様の真の才能を開花させるための「親の生存戦略」として、本書の哲学とGIERIの理念がお役に立てれば幸いです。


■ 本日ご紹介した書籍(Amazon) わが子に「生き抜く力」を授ける親の生存戦略。 Kindle Unlimited会員様は【0円】でお読みいただけます。 https://www.amazon.co.jp/dp/B0GZVFRPSS

■ 才能を開花させる「計算されたリスク」の環境 大自然での実践的な次世代リーダーシップ・プログラムにご興味のある方は、こちらもご覧ください。 ・Fireside Adventures: https://www.firesideadventures.ca/ ・World Bound Japan: https://www.firesideadventures.ca/youth/world-bound-japan

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