カナダのニューロダイバシティー教育② とにかく褒められて育つカナダの子どもたち
とにかく褒められて育つカナダの子どもたち
カナダの教育では、自己肯定感をあげることが何よりの基本となっています。特に小学校の時には、月に20名くらい表彰されます。とにかく褒めまくるのです。
■中学生Rさんの場合
親しくしていた臨床心理士の先生からの連絡で、中学生のRさんのサポートにないることになりました。拒食がひどく、自殺未遂の傾向もあって、一日も早く家庭から離れた方がいいと思ってとサポートが開始しました。
中学ではいじめもあっていて、学校にいけず、勉強はほどんどしてない状態でした。
はじめは、サポートのためにオフィスに来るのも一苦労で、仕度に3時間かかったり、途中でいきたくなくなってしまったりと、かなり不安定でした。まずは週に1回オフィスに来てもらうことを目標に、彼女との関わりが始まりました。
はじめは来るものやっとのことでしたが、徐々に、とてもお喋りが好きだということが分かり、ただ好きなことをお話してもらったり、やってみたい事を一緒にやる事からスタートしました。
ものすごく不安定で、途中で離席してしまうこともありましたが、徐々に週に1回来るのを楽しんでくれるようになり、特に言語のスキルが高い事が分かってきました。
ちょうどその時、教師をしているカナダ人の友人が日本にワーキングホリデーで来ていたので、1対1で英語のレッスンをしてもらうことにしました。
Rさんは、英語を話すことも理解することもできなかったので、初回は2人とも話が通ず、しどろもどろ。Rさんは黙り込んでしまいました。英語レッスンのあと、友人も「どうしよう」と不安をこぼしてしまうほどでした。
Rさんにプレッシャーを与えてしまわないように、次回は一緒に散歩に行ったり、好きな事を一緒にやれたら十分だよね、と話していました。
しかし翌週、感動することが起こりました。
Rさんは、自分で単語帳を買い、表に英語、裏に日本語をかいて、少しでも会話できるようにと、準備してきてくれたのです。
そのとき、友人はとても感動した気持ちをRさんに伝え、「こんなに素晴らしい単語帳があったら、何でも話せるね」と、とても褒めてくれました。カナダの人は、相手のいい所をとにかく褒めることを自然体でやっています。
それからは、一緒に会話をしては単語帳を作っていくというクラスが始まりました。単語帳はいつしかノートになり、Rさんは英語で話すことに自信がついてきたところで、拒食症もよくなり、体力もついてきました。
その後は、心理サポートも行いながら、英語の勉強も本格的に始め、最終的にはカナダ留学をし、心理学の名門大学を卒業しました。
カナダの教師が生徒を褒めて認める姿勢は、そのまま子ども達にも伝わり、誰もが自分自身の能力や可能性を信じて、それらを伸ばすことを楽しめるようにり、お互いのことも尊重できるようになっていくのです。
以下の記事も参考にしてみてください。
カナダのニューロダイバシティー教育①
ニューロ(脳・神経)ダイバーシティ(多様性)とは?
https://gieri-jp.blogspot.com/2025/02/1.html
カナダのニューロダイバシティー教育③
カナダの雄大な自然の中で、次世代を担うための人間力が養われる
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カナダのニューロダイバシティー教育④ 発達検査は必要ない?
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カナダのニューロダイバシティー教育⑤
学校教育との関わり 敵対ではなく「チーム」
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