「子育てジャーナルにAIはいりません」──“あなた自身の言葉”がもつ力
最近、「ジャーナルをAIで書いています」というお声をいくつかいただくようになりました。
まず、毎日のお忙しい中で丁寧に書いてくださっていること、本当にありがとうございます。
ご家庭の時間の中で「振り返る」ことを習慣にされていること自体が、すでにかけがえのない成長だと私たちは考えています。
ただ、私たちGIERIでは改めてお伝えしたいと思っています。
子育てジャーナルは、AIではなく、“あなた自身の言葉”で書いていただきたいと。
書くことの目的は、上手な文章ではありません。
GIERIが子育てジャーナルをお勧めしているのは、
毎日の子育てを「言葉で振り返る」という体験が、ご家族の関係やご自身の心の持ち方を大きく支えるからです。
この考え方の根底には、精神分析家ジャック・ラカンの次の言葉があります:
無意識は言語のように構造化されている(Lacan, 1966)
つまり、人の気持ちや悩みは、感情だけでなく「言葉の構造」によって形づくられており、
言葉にしていくプロセスそのものが、自分を知ることにつながっていくのです。
AIが「うまく」書くほど、あなたの声は小さくなる
AIは確かに、まとまった文章を書くのが得意です。
上手な文を生成してくれ、ものの見事に代弁してくれたと、スッキリするでしょう。
しかし、それは本当のあなたの言葉ではありません。
“ことばに詰まった”
という時間こそが、無意識からの大事なサインなのです。
ジャーナルは、書く内容が整っていなくてもいい。
文法があやふやでもいい。怒りや涙のままの言葉で、書いていい。
むしろ、そういった“うまく書けなさ”にこそ、あなたらしさや気づきの芽が宿っているのです。
AIは「代筆者」にはなれません
ジャーナルは“あなたがあなたに向き合う”ためのもの。
本来は誰かに見せるためではありません。
私たちに読まれていると、気にするかもしれませんが、私たちは、リアルな生の言葉を大切にしています。書けない、その想いも含めて伴走しています。
どうか、あなた自身の言葉を大切にしてください。
外の誰か(=AI)に言葉を委ねてしまうと、その大事な問いかけが外れてしまうのです。
GIERIは、完璧ではない言葉にこそ真実があると信じています。
もし書けないときは…
書けない日があっても大丈夫です。
「書けなかった」ということ自体に意味があります。
もし書くのが苦しいと感じたら、そのことをLINEなどで伝えていただければ、こちらから丁寧に寄り添ってまいります。
最後に
繰り返し何度でもお伝えします。
子育てジャーナルは、“あなたの言葉”で綴られるからこそ力を持ちます。
それは、あなたがご自身の人生と子どもの育ちに、本気で関わっている証です。
その声を、私たちは大切に受け取りたいと思っています。
今日も、ジャーナルから僅かな一歩をすすめていることに、心より敬意を称しています。
出典(原典):
Lacan, Jacques. (1957). "L’instance de la lettre dans l’inconscient ou la raison depuis Freud", in Écrits. Paris: Seuil, 1966.邦訳参照:
ラカン(1966)『エクリ』〈ラカン選集1〉三嶋憲一他訳、岩波書店(2002年)
該当論文:「無意識における文字の機能、あるいはフロイト以後の理性」
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