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9月, 2025の投稿を表示しています

【活動報告】餃子とゲームで深まる交流!〜「ito」で価値観をシェアする意義〜

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本日9月28日、GIERIの活動として、参加メンバーの皆さんとの交流イベントを開催しました。今回は、メンバーさんの提案で 神田の餃子屋さんでランチ を楽しんだ後、オフィスに戻って テーブルゲーム大会 という充実した内容となりました。 餃子激戦区・神田でのランチ会 ランチは、神田・神保町エリアにある老舗の餃子専門店、 「神田餃子屋総本店」 へ。このお店は、創業60年以上の歴史を持ち、国産の黒豚や高原キャベツなど自然素材にこだわった手作り餃子が名物です。 今回のイベントでは、お店の看板メニューである「黒豚餃子と半チャーハンセット」 を頼む人が多く、もちもちした厚めの皮に包まれたジューシーでボリューム満点の黒豚餃子を堪能しました。定食の餃子6個では足りず、3個を追加注文する方も出るほど大満足の様子でした。また、みんなで 野菜餃子を単品でシェアし、様々な種類の餃子を味わうことができました。 食後には「神田・神保町界隈が餃子の激戦区らしい」「次は おけ以 にも行ってみよう」といった会話で盛り上がり、食の話題を通じて自然と次回の活動への期待も膨らみました。 テーブルゲームが引き出す「自己開示」と「価値観の相互理解」 ランチ後は、九段下オフィスの会議室に戻り、 「ito(イト)」 と 「ヒットマンガ」 他の計3種類のゲームで遊びました。 協力ゲーム「ito」がもたらした効果 「ito」は、配られた1〜100の数字を、テーマに沿った言葉で表現して、協力して小さい順に並べるというカードゲームです。今回は「家族にしてもらったら嬉しいこと」というお題で挑戦しました。 参加者が出した言葉は、以下の通りです。 家族に今日の予定を聞かれる 家族に食器を食洗機にいれてもらう 家族に勝手に部屋の掃除をされる 家族に、欲しいプレゼントを買ってもらう 家族が自分の好きではないコーヒー豆を買ってきた この多様な事柄が、1から100まで何点の「嬉しさ」を表現しているのかを、参加者同士の会話や表情から読み取り、数字の大小に並べていきます。 皆さんは、上記の言葉は嬉しさ何点だと思いますか? このプロセスの中で、 「勝手に掃除をされる」 と 「 好きではないコーヒー豆を買ってきた」 が、他のメンバーにとって「最下位(=一番嬉しくない!)」を争う結果となりました。 どっちが「一番?」意見が分かれました。 これは、...

保護者向け講演会『うちの子らしさを輝かせる!』開催レポート【参加後アンケート満足度95%以上!】

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本日、綱島の素敵な ウッズ保育園 にて、保護者の皆様を対象とした講演会『うちの子らしさを輝かせる!親子の自己肯定感を育む子育てのヒント』を開催させていただきました。 当日は多くの保護者の皆様にご参加いただき、皆様が頷きながら熱心に耳を傾けてくださる温かい雰囲気の中、私自身も多くのエネルギーをいただく素晴らしい時間となりました。 この場を借りて、ご参加くださった皆様、そして貴重な機会をくださった保育室ウッズの皆様に心より感謝申し上げます。 今回の講演会、ありがたいことに、終了後のアンケートでは参加者の95%以上が「大変満足」「満足」とご回答くださいました。 そこで本日は、感謝の気持ちを込めて、当日の講演内容を少しだけ共有し、皆様からいただいた嬉しいお声をご紹介したいと思います。 ■ 「うちの子の“らしさ”」は、最高の才能 講演では、子どもたちの健やかな心の土台となる「自己肯定感」 と、その根っこにある 「ベーシックトラスト(世界への信頼感)」を育むことの大切さからお話をさせていただきました。 特に多くの保護者の皆様が関心を寄せてくださったのが、 「リフレーミング」 という視点の転換法です。 例えば、私たちはつい、 「うちの子は落ち着きがない…」 「本当にわがままで…」 と、心配してしまうことがあります。 でも、この見方を少しだけ変えてみると、 「落ち着きがない」→「好奇心旺盛で、いろいろなことに興味が持てる!」 「わがまま」→「自分の意見をしっかり持っている!」 という、素晴らしい 「その子らしさ(個性)」 、つまり 「才能」 として見えてきます。 アンケートでも、「子どもの“らしさ”を強みと捉える視点が心に響いた」というお声を多数いただきました。 「くだらないこと」で笑い合える仲間がいる、「ありのままの自分」を受け入れてもらえる。そんな経験こそが、子どもたちの「自分はこれでいいんだ」という感覚を育んでいきます。 ■ 参加者の声をご紹介!「明日からやってみます!」 セミナー後のアンケートでは、具体的で前向きな声をたくさんお寄せいただきました。その一部をご紹介させてください。 「リフレーミングを実行したいと思います!」 「つい言ってしまう言葉をポジティブに言い換えるヒントが参考になりました。声掛けの変換を意識します」 「『あなたの視点』ではなく『私の視点』で伝えることを...

ギフテッドの事例:制服の同調圧力に悩むミサキ(中2)

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以前 「ギフテッド育児の現実:親と教師が知っておきたい5つの物語」 を投稿したところ、事例の分析とどのようなサポートが望まれるかについてのご質問をいただきました。 5つの事例に沿って、解説をしてみたいと存じます。実際の個別の事例については様々な要因が複雑にからみあっていますので、必ずしもご自身のお子様にあてはまるわけではありません。お子様の最適な才能を伸ばす際の参考にしてみてください。 制服の同調圧力に悩むミサキ(中学2年生・女子) ミサキさんは中学で「みんなと同じでいる」が暗黙のルールになっている環境に戸惑っていた。 実は物理 コンテストに挑戦したいのに、「そんなの変わってる」と笑われる気がして怖くて口に出せませんでした 。小説を読んでいると「なんでそんなの読んでるの?」とクラスメイトからか言われ、返す言葉が見つからない。 家に帰り、ベッドの中で「自分はおかしいのかな…」と声にならない呟きを漏らします。 母はその小さな声を聞き取り、黙って横に座りました。   専門的分析 ミサキさんはギフテッド女子の 隠蔽行動(Hiding behaviors) を示しています。思春期における同調圧力と知的能力の高さの間での深刻な内的葛藤が見られ、これは将来的な imposter syndrome(偽者症候群)や自己効力感の低下 につながるリスクがあります。物理への興味は貴重な才能領域です。 保護者・教育者へのアドバイス アイデンティティ形成の支援: ロールモデルの紹介 :女性科学者の伝記や講演動画を共有 才能の価値の再確認 :物理コンテスト参加を家族で祝福し、その勇気を称える 多様な環境での自己表現機会 :科学クラブ、STEMキャンプ等への参加 学校環境の改善: 担任・進路指導教員との連携 :ミサキの科学的才能について情報共有 理系進路への具体的サポート :理系大学訪問、女子理系学生との交流機会 ピア・サポートの構築 :同じような興味を持つ仲間とのグループ活動 心理的サポート: カウンセリングの検討 :アイデンティティの混乱について専門的支援を受ける 家族療法的アプローチ :家庭が「安全基地」として機能するよう環境整備 ※事例は、実際の「傾向」や「違和感」の情報を参考に、 人物名・家庭構成・細かい状況設定はすべてフィクションとして個人が...

世界で学ぶ異文化を越えて働く④ドイツ編 合理性と規律が築く社会の信頼

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 いま、子どもたちに必要なのは「英語」よりも、 多様な価値観を受けとめる力──つまり「異文化のまなざし」です。 本連載では、国際ビジネス、教育、地域開発などの現場で40年以上にわたり、 五大陸・88か国を実地に歩いてきたGIERIの国際教育アドバイザー・栂野久登(とがのひさと)氏が、現場で肌で感じ、対話し、乗り越えてきた「文化を越えて働く」リアルな知見を語ります。 単なる“海外体験”ではありません。 言葉・習慣・価値観のズレに直面しながら、どう人と関係を築き、 どう「違い」を教育やビジネスの力に変えてきたか── ドイツで学んだのは、「違いを議論し、共に生きる力」でした。 意見が対立しても、逃げずに語り合う。 立場や考えが異なっても、互いを尊重し合う。 その姿勢は、家庭でも教育でも欠かせないものです。 子どもが意見を言ったとき、 私たちは本気で耳を傾けているでしょうか。 違いを恐れず、話し合えること。 そこから「共存共栄」の未来は始まります。 #異文化教育 #ドイツ体験 #対話する力 #子育ての知恵 #教育の本質 #共存共栄 #多様性を育てる #家庭教育 #世界で学ぶ #国際教養 ドイツ――合理性と規律が築く社会の信頼 ブラジルが「人間としての情熱」を教えてくれた国だとすれば、ドイツは私に**「社会のルールと信頼」**について教えてくれた国でした。 一見、冷たく厳格に映るドイツ人のふるまい。しかしその根底には、「人間同士が安心して共に生きるための合理的な哲学」が確かに息づいていました。 窓ガラスをめぐる忠告 ある日、私のフラットに見知らぬ来訪者が訪れ、開口一番こう言いました。 「あなたは窓ガラスを掃除していますか?」 私は少し驚きながらも答えました。 「年末の大掃除で、年に一度ピカピカにしていますが……」 すると彼は眉をひそめ、諭すように言いました。 「ここドイツでは、多くの家庭が週に一度は窓を掃除します。窓は外から見ても常に光っているのが常識です。もし曇った窓を放置すれば、住人はだらしのない社会人と見なされ、軽蔑されることもありますよ」 私は面食らいながらも、「見ず知らずの私へご親切な忠告をありがとうございます」と答えるしかありませんでした。 彼らにとって「窓」は単なるガラスではなく、社会の一員としての姿勢を映す鏡だったの...

ギフテッドの事例:仲間がいないアヤ(小学6年生・女子)

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以前 「ギフテッド育児の現実:親と教師が知っておきたい5つの物語」 を投稿したところ、事例の分析とどのようなサポートが望まれるかについてのご質問をいただきました。 5つの事例に沿って、解説をしてみたいと存じます。実際の個別の事例については様々な要因が複雑にからみあっていますので、必ずしもご自身のお子様にあてはまるわけではありません。お子様の最適な才能を伸ばす際の参考にしてみてください。 仲間がいないアヤ(小学6年生・女子) アヤさんは古代エジプトの歴史に夢中。授業中もノートの端にはピラミッドやヒエログリフがびっしり描かれています。 でも、休み時間にその話題を出すと「変わってる…」と笑われてしまいます。クラスの女子がアイドルやファッションの話をしている輪になっても、話題に入れません。 家に帰って、図書館で借りた学術書を開き、ノートに「もしも私が紀元前に生まれていたら」と空想を書き連ねます。母 はそんなアヤの背中を見ながら「この子を信じてくれる世界が、きっとある」と信じています。 専門的分析 アヤは 知的興味の特化 と 社会的孤立 という、ギフテッド女児によく見られるパターンを示しています。特に思春期前の女児は「普通でありたい」という社会的圧力と自身の特殊な興味との間で葛藤を抱きやすくなります。しかし、母親の理解的な態度は重要な保護因子となっています。 保護者・教育者へのアドバイス 社会的スキルと自己肯定感の育成: 興味の多様化支援 :古代エジプト以外にも関連する分野(考古学、美術史、言語学)への拡張 同じ興味を持つコミュニティ探し :地域の歴史研究会、博物館のジュニアボランティア等 プレゼンテーション機会の創出 :クラスで「エジプト博士による特別授業」を企画提案 学校との協働: 多様性の価値を教える授業 :担任に「みんな違ってみんな良い」をテーマにした学級活動を提案 アヤさんの専門性を活かす機会作り :歴史の授業での発表機会、壁新聞作成等 カウンセリング的支援 :必要に応じてスクールカウンセラーとの面談 ※事例は、実際の「傾向」や「違和感」の情報を参考に、 人物名・家庭構成・細かい状況設定はすべてフィクションとして個人が特定されないように作成しています。 個別のご相談については、どうぞお気軽にお問い合わせください。 ■ ■ お問い合せや相談 ...

世界で学ぶ異文化を越えて働く③コパカバーナの白い砂浜と、盗人の良心――“共存共栄”という静かな哲学

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 いま、子どもたちに必要なのは「英語」よりも、 多様な価値観を受けとめる力──つまり「異文化のまなざし」です。 本連載では、国際ビジネス、教育、地域開発などの現場で40年以上にわたり、 五大陸・88か国を実地に歩いてきたGIERIの国際教育アドバイザー・栂野久登(とがのひさと)氏が、現場で肌で感じ、対話し、乗り越えてきた「文化を越えて働く」リアルな知見を語ります。 単なる“海外体験”ではありません。 言葉・習慣・価値観のズレに直面しながら、どう人と関係を築き、 どう「違い」を教育やビジネスの力に変えてきたか── 今回のテーマは、 「正しさとは?」。 「善」と「悪」を単純に分けられない、人間の奥深さのエピソードです。 コパカバーナの白い砂浜と、盗人の良心――“共存共栄”という静かな哲学 ある晩、リオデジャネイロのコパカバーナの白い砂浜に、私は一人で横たわっていた。 深酒のあと、砂浜でそのまま寝入ってしまい、目覚めたときにはシャツとパンツ一枚、浅瀬にずぶ濡れの状態だった。 身につけていた財布も、IDカードも、現金もすべて消えていた。 当時のブラジルでは、外国人がIDカードを持たずに街中で警官に検問されれば、即座に収監される可能性があった。私は顔を青ざめさせながらも、どこかで「やられた」と割り切るしかなかった。 盗まれたのに、返ってきたもの だが、一週間後のある日、思いがけない出来事が起こった。 自宅に封書が届いたので開けると、中には盗まれた財布とIDカード、そして一通の手紙が入っていた。 「私はあなたに恨みがあって盗みを働いたわけではありません。子どもを養うため、生活に窮し、やむなく現金のみを抜き取りました。あなたが外国人で、IDカードを失えばどれだけ困るかを思い、同封して返送させていただきました。」 その手紙を書いた人物は、都市部に職を求めて流入してきた元労働者であり、白人だったと、その文面から想像ができた。彼のような人々が、欧米から流れ込んだ巨額の投資と都市化の波に翻弄され、職を失い、やがて貧困に追い込まれていった――そんな1980年代ブラジルの社会構造が、この一件の背後にある。 善と悪のグラデーション 日本では「盗み」は即ち「悪」と切り捨てられる行為だろう。 だが、この手紙の持ち主は、盗みを働いたと同時に「返す」という行動を選んだ。 その矛盾の中...

ギフテッドの事例:授業が退屈なケイ君(小学2年生・男子)

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以前 「ギフテッド育児の現実:親と教師が知っておきたい5つの物語」 を投稿したところ、事例の分析とどのようなサポートが望まれるかについてのご質問をいただきました。 5つの事例に沿って、解説をしてみたいと存じます。実際の個別の事例については様々な要因が複雑にからみあっていますので、必ずしもご自身のお子様にあてはまるわけではありません。お子様の最適な才能を伸ばす際の参考にしてみてください。 ケイくん(小2・男子)-耐えられない気持ち 小学2年生のケイくんは、国語の授業で教科書を読むとき、つい先のページまで読み進めてしまいます。 「ケイくん、みんなに合わせて!」と先生に注意されるのが日常。でも本人からすると、繰り返しの音読みや簡単な計算テストはすぐに終わってしまいます。やがて、「こんな意味ない!」 と黒板の前で叫び、涙を流しながら教室を飛び出しました。保健室で難しい科学の本を読むケイくんの姿に、保健室の先生はそっと麦茶を置きました。 帰宅後、母に「学校って、なんで面白いことをしないんだろう?」と真顔で見つめるケイ。 母はその問いに、答えが見つからなかった。   専門的分析 ケイは典型的な 学習進度のミスマッチ を経験しています。知的好奇心と学習能力が同学年の標準を大幅に上回っているにも関わらず、画一的な授業進度に合わせることを強要されており、これが underachievement(アンダーアチーブメント・能力未発揮) と 情緒的問題 を引き起こしています。保健室での行動は、適切な知的刺激を求める自然な反応です。 保護者・教育者へのアドバイス 学校との連携: 個別教育支援計画(IEP)の検討 :担任、校長、特別支援コーディネーターとの面談を要請 学習の個別化 :授業中の「発展課題」提供を提案(例:読み終わった後の追加問題集) 才能領域の活用 :朝の時間や放課後に、ケイ君が興味を持つ科学実験や読書時間を設ける 家庭でのサポート: 知的好奇心の育成 :科学館、博物館、図書館での学習機会を増やす 同じ興味を持つ仲間探し :地域のSTEM教室や読書クラブへの参加 感情の処理支援 :学校での フラストレーションを健全に表現する方法を教える ※事例は、実際の「傾向」や「違和感」の情報を参考に、 人物名・家庭構成・細かい状況設定はすべてフィクションとし...