「誰にも言えなかった、あの子のSOS」~ギフテッド/2Eの子どもと家族の物語~第1話:

「教科書は毎回、写真で見えるよ」― 息子の一言が覆した、IQ70という診断


「うちの子、知能検査ではIQ70と診断されました。でも、何かが違うんです」

多くの保護者の方が、言葉にならない違和感を抱えながら、私たちGIERI(ギフティッド国際教育研究センター)のドアを叩きます。先日ご相談くださったお母さまと、中学1年生の息子さん、ケントさん(仮名)の物語は、まさにその典型であり、私たち専門家にとっても多くの示唆に富む、感動的なケースでした。

矛盾だらけのプロフィール

お母さまから最初にいただいたケントさんの情報は、まさに「矛盾」に満ちていました。

  • 学校の評価: 成績は下位。国語の読み書きが特に苦手で、知能検査(WISC)の結果はIQ70(境界知能)

  • 家庭での姿: ある人気のオンライン戦略ゲームで、大人も舌を巻くほどの高い成績を収める。部活の陸上(幅跳び)では、市の新人戦で見事入賞を果たす。

一体、どちらが本当のケントさんの姿なのでしょうか? 学校の評価を信じるなら、学習に困難を抱える少年。しかし、彼の成し遂げていることは、高い戦略的思考力、空間認識能力、そして本番での驚異的な集中力がなければ不可能です。

この時点で、私たちは「2E(Twice-Exceptional)」の可能性を強く疑いました。2Eとは、ギフテッド(突出した才能)と発達上の困難さ(発達障害など)を併せ持つ子どもたちのことです。彼らは、困難さが才能を覆い隠し、才能が困難さを見えづらくするため、周りから大きな誤解を受けやすいのです。


「YES!」と叫んだ、決定的証拠

お母さまは、私たちの分析に半信半疑ながらも、過去の記録を辿ってくださいました。そして、一枚の写真が送られてきました。

それは、ケントさんが小学1年生の時に書いたという「宇宙の終わり」についてのメモでした。

「うちゅうのおわり」 「すべてのものがばらばらになって、さいごはなにもうごかなくなる(エントロピーの法則)。ねつもなくなるから『ねつてきし』っていうんだって」

宇宙全体の、不可逆的な変化の果てにある終焉。この壮大で哲学的な概念を、6歳の子どもが自分の言葉で懸命に綴っていました。 この一枚が、IQ70という数字が、いかに彼の本質を捉えきれていないかを物語っていました。


息子の衝撃的な一言

さらに後日、お母さまから驚きの報告が届きます。お母さまご自身、過去に一度だけ、教科書が写真のように頭に浮かぶ体験をしたことがあったそうです。その話を何気なくケントさんにしてみたところ、彼はこう答えました。

「毎回そうだよ」

テストの点が取れないのは、勉強ができないからではなかった。彼の脳は、私たちとは全く違う方法で世界を認識し、記憶していたのです。教科書を丸ごと「写真」として記憶できるのに、それを「漢字を書き出す」という彼にとって最も苦手な方法でアウトプットすることを求められ、苦しんでいたのです。


親にできる最高の支援―言葉を使わない「壮大なプロジェクト」

何よりも私たちの心を打ったのは、お母さまのケントさんへの関わり方でした。ケントさんが自分の特性について話すことを嫌うのを敏感に感じ取り、言葉を使わない(ノンバーバルな)アプローチを続けてこられました。

「算数オリンピックの問題集、宇宙物理学の入門書、お金の管理方法の本などを黙って置いておくという形で支援しています」 「私の中では壮大なプロジェクトです(笑)。本人が話し出すまでは何も伝えないつもりです。プライドが傷つくといけないので」

これは、子どもを管理・指導するのではなく、知的好奇心の種をそっと蒔き、本人の気づきを待つという、深い愛情と尊重に満ちた支援です。ケントさんが置かれた本を見て、「俺、やっぱり頭良かった!」と叫んだエピソードは、このアプローチがいかに正しかったかを証明しています。


「診断」の先にある「理解」へ

もし、お母さまがIQ70という診断結果を鵜呑みにしていたら、どうなっていたでしょうか。ケントさんは「勉強のできない子」というレッテルを貼られ、その類まれな才能に気づかれることなく、自信を失い続けていたかもしれません。

お子さんのことで悩むすべての保護者の方にお伝えしたいことがあります。 あなたのその「何かが違う」という直感は、正しいかもしれません。 検査の数値や学校の評価は、お子さんの一側面にすぎません。その裏に隠された、ダイヤモンドの原石のような才能が、見つけてもらうのを待っている可能性があります。

GIERIは、そのような「壮大なプロジェクト」に挑む保護者の皆様の、最高のパートナーでありたいと願っています。診断名で終わらせるのではなく、お子さん一人ひとりのユニークな才能と困難さを深く理解し、その子らしく輝くための道を、一緒に探していきましょう。



※事例は、実際の「傾向」や「違和感」の情報を参考に、
人物名・家庭構成・細かい状況設定はすべてフィクションとして個人が特定されないように作成しています。

コチラも是非読んでみてください⬇

「誰にも言えなかった、あの子のSOS」
~ギフテッド/2Eの子どもと家族の物語~

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