【研修報告】「トラウマインフォームドケア(TIC)」を学ぶ:ギフティッド支援の現場から
こんにちは、GIERIの石川です。
令和6年度精神保健福祉研修として開催された「トラウマについて理解し、支援に生かす」というテーマの研修に参加いたしました
私たちGIERIが日々向き合っているギフティッドや発達に特性のある子どもたちは、その高い感受性ゆえに、環境からのストレスを深く受け止めてしまうことがあります。今回の研修は、そうした子どもたちの「生きづらさ」や「行動」を理解する上で、非常に重要な視点を与えてくれるものでした。
研修からの学びと、そこから見えてくるGIERIとしての支援のあり方について以下に共有します。
1. トラウマとは「出来事」ではなく「反応」である
まず重要だったのは、トラウマ(心的外傷)の捉え方です。トラウマとは単に恐ろしい出来事そのものを指すのではなく、その人にとって「恐怖や不快感をもたらし続ける体験」であり、心と体に刻まれた傷であるということです。
特に興味深かったのは、トラウマ反応が「自律神経系(交感神経・副交感神経)のバランス不全」として身体に現れるという点です
2. 「困った子」ではなく「困っている子」と捉え直す
研修の中で特にGIERIの活動と深くリンクしたのが、「トラウマインフォームドケア(TIC)」という概念です
TICの原則では、以下の視点の転換が求められます。
「何が問題なのか?(What's wrong with you?)」 と問うのではなく、
「何があったのか?(What happened to you?)」 と背景を理解する
。 「症状」ではなく「適応」、「病理」ではなく「レジリエンス(回復力)」に着目し、その子の強み(ストレングス)を伸ばすという考え方は、まさに私たちGIERIが大切にしている視点と合致します。
3. ギフティッド支援におけるTICの重要性
私たちが出会うギフティッドの子どもたちは、知的な早熟さを持つ一方で、感情や感覚の激しさ(Overexcitability)を併せ持っていることが少なくありません。 一般的な環境では気にならないような些細な刺激や、周囲との不調和が、彼らにとっては深い傷つき(トラウマ)体験となることがあります。
研修資料にあった「小児期逆境体験(ACEs)」が将来に及ぼす影響の大きさ
もし、高い知能を持つ子が教室で暴れたり、逆に殻に閉じこもったりした時、それを「わがまま」や「扱いにくい性格」として片付けていないでしょうか?
その背景には、過度な緊張状態(過覚醒)や、理解されない孤独感が隠れているかもしれません
4. GIERIが目指す「再トラウマを防ぐ」支援
TICの実践において重要な「4つのR」の一つに、「Resist re-traumatization(再トラウマ体験を防ぐ)」があります
私たちGIERIは、以下のことを改めて徹底していきたいと考えています。
安全・安心の確保:子どもが脅かされることなく、安心して過ごせる物理的・心理的環境を作ること
。 コントロール感の回復:一方的に指導するのではなく、本人の選択を尊重し、「自分で決められた」という感覚(エンパワメント)を取り戻せるよう関わること
。 支援者自身のケア:支援者が疲弊してしまえば、子どもを支えることはできません。私たち自身も知識を持ち、健やかであるよう努めます
。
おわりに
「トラウマからの回復」の目的は、単に症状を消すことではなく、その人が生活の中で主体性を取り戻し、エンパワメントされることにあります
ギフティッドの子どもたちが、その才能を伸び伸びと発揮するためには、まず土台となる「心の安全」が不可欠です。 今回の研修で得たTIC(トラウマインフォームドケア)の視点を、日々の教育・支援プログラムにしっかりと落とし込み、子どもたち一人ひとりの「生きる力」を支えていきたいと思います。
■ GIERI(ギフティッド国際教育研究センター)について
ギフティッド・2Eの方々の才能伸長と生活支援を行う専門機関です。 詳細なサービス内容は公式サイトをご覧ください。 URL:
【参加報告】「普通」を目指さない支援へ。発達障害とギフティッド教育の交差点
【研修報告】「トラウマインフォームドケア(TIC)」を学ぶ:ギフティッド支援の現場から
.png)
コメント
コメントを投稿