【第7回】名医の「ADHD診断」で動けなくなった青年。レッテルが引き起こす二次的な機能低下
「診断されたことによって、これくらいできてたはずなのに『もう全部できません』みたいになってしまった」 「同年代の子が就活に入る年齢。客観的に見ると焦るし、いろいろ妄想して感情的になってしまう」
GIERI(ギフティッド国際教育研究センター)のコンサルティングで、22歳の息子さんを持つお母様は深い焦燥感と無力感を吐露されました。
同級生たちが次々と就職活動を始め、下のお子様の受験も重なる中、「このままでは社会から完全にドロップアウトしてしまうのでは」という恐怖に駆られるのは、親として当然の感情です。お母様はすがるような思いで著名な精神科医を受診し、息子さんは「ADHD」等の診断と投薬を受けました。
■ 「3分の事実確認」では救われない
しかし、医療機関への受診は、事態を好転させるどころか最悪のスパイラルを生み出してしまいました。
医師は数分の事実確認のみで「学校に行きたいなら行く、薬を飲むなら飲む」と告げるだけで、本人がなぜ動けないのかという行間や、家庭内の空気感、そしてギフテッド特有の本質的な苦悩(過度激動:OE)を突っ込んで聞いてはくれませんでした。 「ADHDと言われても、OEと言われても、目の前の『困りごと』は何も変わらない」とお母様は絶望を深めていきました。
■ 診断が「才能」を殺す瞬間
最も深刻だったのは、息子さん本人に起きた「二次的な機能低下(フリーズ状態)」です。
WISC等の検査数値や「発達障害」というレッテルを突きつけられたことで、高い知性を持つがゆえに「自分にはコミュニケーションのビハインド(欠陥)があるんだ」と深く思い込んでしまいました。その結果、今まで当たり前にできていたことすら「もうできません」と過剰適応を崩し、完全に動けなくなってしまったのです。
■ 「定型のレール」への焦りを捨てる
医療による「実行機能のサポート(投薬など)」と、教育による「才能や激しさ(OE)を伸ばす環境デザイン」は、全く異なる役割を持っています。親が医師にその「すべて」を求めることは極めて危険です。
GIERIが面談で最初に行ったのは、「もう22歳だから就職しなければ」という「定型の呪縛」からお母様を解放することでした。 年齢による焦りが生む「準備不足の社会参加」は、必ず二次障害(挫折)を引き起こします。非定型(ギフテッド/2E)の若者には、彼ら独自のタイムラインが存在します。
日本の均質化された就労支援や大学ではなく、海外の大自然など全く違う価値観の中で「激しさ(OE)」をリーダーシップに昇華させるような、「第三の道(非定型ルート)」を再構築することが解決の糸口となることもあります。
医療を否定する必要はありませんが、医療に依存しすぎるのも危険です。 親御さん自身が疲弊し、状況を咀嚼できなくなる前に、日常の「才能と環境のミスマッチ」を解析する外部ストレージ(戦略参謀)を頼ってください。プロを間に挟むことで、ご家庭に「安全基地」を取り戻すお手伝いができます。
※本記事は、GIERIに寄せられた複数の実際の相談事例を基に再構成しています。ご相談者様のプライバシーを厳重に保護するため、お名前や具体的な状況などは一部変更しておりますが、記載されている「お母様の生の声」や「課題の構造」はすべて事実に基づいています。
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