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6月, 2025の投稿を表示しています

【事例紹介①:美咲さん(仮名)】子育てジャーナルとスリーグッドシングスで変わる!ママと子どもの「幸せの軌跡」

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 子育て中の皆さん、毎日お疲れ様です。 「子どものこと、これでいいのかな?」「もっと笑顔で過ごしたいけれど、ついイライラしてしまう…」 そんな風に感じていませんか? 今回は、私たちの伴走型子育てサポートサービスをご利用いただいた3組のママとご家族の、驚くべき変化をご紹介します。日々の記録と「書く瞑想」を通して、どのように心が整理され、親子の関係が深まっていったのか、具体的な記録を交えながらお伝えします。 あなたの悩みを「書く」ことで解決へ導く 私たちのサービスは、ポジティブ心理学に基づく「スリーグッドシングス」と、心の整理に役立つ「ジャーナリング(子育てジャーナル)」という二つの強力なツールを軸に、専門のカウンセラーがあなたに寄り添い、サポートします。 子育てジャーナル :日々の出来事や感情を記録することで、自分自身を深く理解し、感情の整理やストレス軽減に繋がります。お子様への「こうあるべき」という思い込みに気づき、より建設的な対応を考えるきっかけを与えてくれます。 スリーグッドシングス :寝る前にその日あった良いことを3つ書き出す習慣です。どんなに小さなことでも良いので、日々のポジティブな側面に意識を向けることで、幸福感や自己肯定感を高めます。 「子どもの変化には時間がかかる」(最低2ヵ月程度) と言われますが、この期間、ジャーナルを記録することで、ご自身の感情や、子どもの僅かな成長に気づき、確かな手応えを感じることができます。 それでは、実際に私たちのサービスでどのような変化が生まれたのか、お客様の具体的な記録と共にご覧ください。 事例1:感情の波を乗りこなし、自己肯定感を取り戻した 美咲 さんの物語 美咲 さんは、子どもの突然の癇癪や日々の騒音に対し、感情的に怒ってしまうことに罪悪感を抱えていました。ジャーナル開始当初は「いい加減にしなさい!」と怒鳴ってしまう自分に嫌悪感を抱くこともあったといいます。 記録から見える変化: ジャーナル開始から約2週間 : 美咲 さんの記録に変化が現れ始めます。 以前の記録(例): 「また感情的に怒ってしまった…本当にダメな母親だ。」 約2週間後の記録(例): 「イライラした時、深呼吸して6秒待ってみた。少し落ち着けた気がする。次はお風呂に入る前に落ち着いて話しかけてみよう。」 変化のポイント: 感情...

【特集】「発達に特性のある子どもが、自分らしく学べる国 カナダ③

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 「発達に特性のある子どもが“傷つかずに”学べる場所」 ―日本との違いを知ってほしい Aさんが語ってくれた言葉のなかで、特に印象的だったのがこの一言です。 「カナダの学校では、“できないこと”を叱られたことが、一度もないんです」 日本では、どれほど本人が頑張っても、「提出が遅い」「集中できない」「発言が的外れ」といった“ズレ”に対して注意されることがあります。もちろん教師の善意や努力もあるのですが、「周囲と同じ」であることが求められる文化が、結果として子どもを傷つけてしまうことも少なくありません。 Aさんの息子さんは、ASDとギフテッドの特性を併せ持ち、感覚過敏・強いこだわり・集団活動の難しさなど、いくつもの“生きづらさ”を抱えていました。 日本の学校では「協調性に欠ける」「発達検査を受けてみたら?」と言われることが増え、自信をなくし、不登校気味になっていったそうです。 そんななかで出会ったのが、カナダの私立校。入学にあたって提出した診断書をもとに、学校側はすぐに「どんな支援が必要か」「どの評価方法が合うか」を一緒に考えてくれました。 グループディスカッションが苦手 → 書面での論述評価へ変更 プレゼンでフリーズしてしまう → 先生と1対1での発表に切り替え 感覚過敏で教室にいられない → 別室での個別対応も可 「“普通にできること”を前提にしていない。だから、“できないこと”を責められないんです」 さらに、Aさんが驚いたのは、 本人の“納得”を重視する姿勢 でした。 支援内容は学校側が一方的に決めるのではなく、必ず本人との面談を行い、「どうすれば無理なくできそうか」を一緒に相談しながら決めていくのだそうです。 「“できる・できない”じゃなく、“やってみようと思える形”にすることが目的なんですよね」 カナダでは、配慮を受けることは“恥”ではなく、“当然の権利”として扱われています。そして、その配慮が“頑張る力”や“達成感”を支える土台になっているのです。 “配慮してもらえるから頑張れる”―― 日本では逆に、「頑張れる子にしか配慮が届かない」ことも少なくありません。 もし今、あなたのお子さんが「学校が苦しい」「自分はダメなんじゃないか」と感じているなら、一度“文化ごと違う学びの場”を知ってみること。...

【特集】「発達に特性のある子どもが、自分らしく学べる国 カナダ ②

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 「この子に本当に合う環境ってどこ?」 ――カナダで見つけた“わが子らしさ”を守る場所 ※本記事は、2025年現在カナダで発達特性のあるお子さんを育てながら留学支援を行っている保護者へのインタビューに基づいて構成しています。 教育制度や支援体制は州・学校・時期によって異なる場合があります。あくまで一つの実体験・主観に基づく内容としてご参照ください。 「親子で行ける!カナダ留学ビザの現実と注意点」 「子どもだけで行かせるのは不安…」 そう感じるご家庭にとって、 “親子留学”という形は大きな希望 になります。 カナダでは、保護者が現地のカレッジに就学することで、“留学生”としてのステータスを得られます。その結果、子どもは 現地の公立校に無料で通学可能 となる制度が用意されています(州により条件あり)。 Aさんも当初はこの制度を使うことを検討していました。しかし、最終的に私立校を選んだ理由は、「支援の質」と「本人の特性に合う環境」が優先だったからです。 制度利用の注意点: 保護者が通うのは語学学校ではなく職業訓練カレッジなどに限られる 子どもの学費が無料になるのは原則公立校のみ(私立は有料) ビザ更新・住居契約・保険加入など、事務手続きが多い 「親が“行ってあげる”のではなく、“一緒に暮らしをつくる”感覚でした」 母子で留学することで、子どもだけでなく 親自身も“安心できる”生活を築けること が、Aさんにとっては大きな意味があったといいます。 「英語ができなくても大丈夫?」 ―語学の壁とサポート体制 「英語が苦手だけど、本当に大丈夫なんでしょうか…?」 結論から言えば、 本人が安心して過ごせる環境さえあれば、英語力は自然に伸びます 。 Aさんの息子さんは、来加当初、英語での表現に大きな不安を抱えていました。読み書きも、話すこともハードルが高く、緘黙傾向が見られたほどです。 それでも、学校側の対応は非常に柔軟でした。 文章提出→動画や音声録音でも可 発表→1対1または録画発表で対応 わからない単語は辞書使用OK、時間延長あり また、留学生向けにはESL(English as a Second Language)プログラムが用意されており、段階的に授業に参加していくことも可能です。 「“英...

GIERIへ相談を希望される方へ(2025)

 ―相談サービスのご利用について― 私たちギフティッド国際教育研究センター(GIERI:ジエリ)では、ギフティッド・発達・教育に関するご相談を すべて有料で承っております 。 これは、単なる料金制度ではなく、私たちの支援のあり方そのものに関わる大切な姿勢です。 なぜ無料ではないのか? 近年は、初回無料・短時間の相談といったサービスが一般的になっています。 しかし、私たちが目指すのは、「一度きりのアドバイス」ではなく、 言葉を重ねながら、ご家族とともにお子さまの成長を長期的に見守る支援 です。 精神分析家ジャック・ラカンは、「無意識は言語のように構造化されている」と述べました。 つまり、 人の心や行動の変化は、“言葉を通して”しか起こらない のです。 私たちの支援もまた、あなたが語り、私たちが耳を傾けるという「言葉の往復」の中で成り立っています。 「相談料」は、支援を「本気で始める」という合図でもあります。 料金が発生するからこそ、ご相談に向き合う姿勢も、私たちの応答の質も、 双方にとって 真剣で構造化された対話の場 となります。 その信頼と責任の上に、GIERIは支援を築いています。 子育てジャーナルもその一部です。 GIERIでは、継続的な内省を支えるツールとして「子育てジャーナル」を提供しています。 これは、ご自身の気づきや葛藤を“書く”ことを通じて言葉にし、 ご家族のあり方と向き合うための 象徴的な実践 です。 このジャーナルも、単なる日記ではなく、 ご相談と一体化した「思考の場・問いの場」として提供しています 。 そのため、無料提供の一環ではなく、有料支援サービスの一部として位置づけています。 ご相談をいただいた方に提供しています。 ご理解とご協力をお願いします。 GIERIの支援は、お子さまの発達や才能に正面から向き合い、 ご家族の“これから”に責任をもって寄り添うためのものです。 その価値を信じ、無料ではなく「適切な対価とともに支え合う関係」を築ける方と出会いたいと考えています。 ご不明な点や料金体系については、どうぞお気軽にお問い合わせください。 GIERI|ギフティッド国際教育研究センター 公式LINE/お問い合わせはこちら → [ https://lin.ee/fZNo30U ...

【特集】「発達に特性のある子どもが、自分らしく学べる国 カナダ ①

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 「この子に本当に合う環境ってどこ?」 ――カナダで見つけた“わが子らしさ”を守る場所 ※本記事は、2025年現在カナダで発達特性のあるお子さんを育てながら留学支援を行っている保護者へのインタビューに基づいて構成しています。 教育制度や支援体制は州・学校・時期によって異なる場合があります。あくまで一つの実体験・主観に基づく内容としてご参照ください。 「日本の学校では、うちの子が“普通じゃない”って、毎日のように言われていたんです。」 そう語ってくれたのは、現在カナダの私立校に息子さんを留学させているAさん。発達障害とギフテッドの特性を併せ持つ息子さんの子育てに、長年悩み苦しみながらも、“この子が安心して過ごせる場所”を見つけたひとりの母親です。 最初は、国内の特別支援やフリースクールを検討していたそうですが、どこか「居心地の悪さ」「制度の限界」を感じていたといいます。 「この子の得意は“型にはまらないこと”なのに、日本の教育は“型に入れること”が前提なんですよね」 そんななかで出会ったのが、カナダの教育事情。特に私立校は、学力や成績よりも「その子自身がどんな環境で力を発揮できるか」を第一に考えてくれる文化があるという話を耳にし、強く心を動かされたそうです。 実際、現在息子さんが通う学校では、次のような“オーダーメイドの支援”が当たり前のように提供されています。 プレゼンが苦手なら、先生との一対一での発表に切り替え可能 ストレスによる遅刻や欠席は、診断に基づいて正式に配慮対象に グループディスカッションが難しい場合は、レポート提出で代替可 こうした柔軟な対応は、決して「特別扱い」ではなく、「学びに必要な調整」として捉えられています。 「日本だと、“特別な配慮をお願いしてすみません”って気持ちになっていた。でも、カナダでは“どうすれば力を発揮できるか一緒に考えましょう”という姿勢なんです」 息子さんは今、プレッシャーや評価への恐れから解放され、安心して“学ぶ楽しさ”を取り戻しているといいます。 Aさんの言葉は、こう締めくくられていました。 「この子が“自分のままでいい”って思える場所にたどり着けて、本当に良かったと思います」 発達に特性のある子どもにとって、“合う環境”があるかどうかは、ただの選択肢ではなく...

雨の中、未来への一歩を踏み出す!東京労働局主催令和7年第1回「障害者就職面接会」徹底レポートと成功の秘訣

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昨日、GIERIで支援している大切なメンバーが、東京労働局主催の「障害者就職面接会」に参加しました。小雨がぱらつくあいにくの天気でしたが、会場は参加者の熱気に包まれ、未来への希望に満ちた一日となりました。 今回は、この面接会の概要から実際の様子、そして私たちが得た教訓と、これから参加を考えている皆さんに向けた実践的なアドバイスを、余すことなくお伝えします。 1.面接会の概要:あなたの「働きたい」を応援する一大イベント 今回メンバーが参加したのは、東京労働局が主催する、障害のある方の就職を強力にサポートする面接会です。特設サイトはこちら。 https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/event/mennsetukai202506_00011.html この面接会の最大の魅力は、 約200社もの企業が一堂に会し、直接採用担当者と話せる貴重な機会 であることです。多くの場合、書類選考なしで面接を受けられるため、普段は書類でつまづいてしまう方も、自身の個性や意欲を直接アピールできるチャンスが広がっています。 もちろん、面接会はあくまで企業との「出会いの場」。その後の企業の面接(二次面接以降)につながるかどうかは、面接会での印象や準備にかかっています。残念ながら、個人の体験談から具体的な「選考につながる確率」を数値化することは難しいのですが、真剣に取り組めば、必ず次の一歩が見えてくるはずです。 ちなみにchatGPTを用いて過去3年の個人ブログや支援所レポートをしらべたところ、「 1〜3割程度 が企業からの二次面接案内を受けている様子」とのことでした。 以前関わっていた就労移行支援機関でも参加者の4割程度が、次のステップに繋がっていました。 2.当日のリアルな様子を大公開!長蛇の列と時間との戦い 今回、メンバーが参加して痛感したのは、 「早めの行動」がいかに重要か ということです。 小雨が降る中、受付開始の12時30分のわずか15分前には、入り口にはすでに長蛇の列が形成されており、その勢いは千駄ヶ谷駅にまで届きそうなほどでした。人気企業の中には、受付が早々に終了してしまうブースもあるため、確実に希望の企業と話すためには、 少なくとも受付開始の30分前には会場に到着しているのが望ましい と感じました。メンバーが言...

子どもの未来が輝く!カナダ・ブリティッシュコロンビア州の教育システムから学ぶ「すべての子どもを大切にする」教育の素晴らしさ

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今回は、カナダ西部に位置するブリティッシュコロンビア州(BC州)の教育システムについて、日本の子育て中の皆さんに向けてお伝えしたいと思います。バンクーバーやビクトリアで知られるこの州の教育制度は、私たち日本の親にとって「目からうろこ」の気づきがたくさんあります。 すべての子どもが「一緒に学ぶ」インクルーシブ教育の先進地 まず最初にお話ししたいのが、BC州で実践されている「インクルーシブ教育」についてです。ブリティッシュ・コロンビア州では、1981年以来、州の方針としてすべての子どもを地域の学校で一緒に教育することが推し進められてきました。 これは具体的にどういうことかというと、小学校には特別支援学校がないようで、ほとんどの子ども達が普通の学校で勉強していますということなんです。つまり、学習に支援が必要な子も、そうでない子も、みんな同じ教室で学んでいるのです。 日本では、支援が必要な子どもたちは特別支援学級や特別支援学校で学ぶことが多いですよね。でも、BC州では40年以上前から、「みんな一緒に学ぶことで、お互いを理解し合える」という考えを大切にしてきたのです。 多様性が当たり前の環境で育つ子どもたち カナダには世界中から移民の人達が来ているので、当然学校に来る子ども達の出身国も多様です。バンクーバー近郊の学校では、アジア系の子どもたちも多く、異なる文化背景を持つ子ども達が一緒に学ぶ環境があります。 これって、子どもたちにとってどんな意味があるのでしょうか?多様な背景を持つクラスメートと日常的に接することで、自然と異文化理解や寛容性が身につくんです。グローバル化が進む現代において、これは本当に貴重な経験ですよね。 専門スタッフがチームでサポートする手厚い支援体制 Greater Victoria School Districtのウェブサイトを見ると、学習支援チームについてこう書かれています。学習支援チームは、学生とスタッフの両方に直接的および相談的なサービスを提供しています。私たちのスタッフは、学校ベースのチーム、家族、コミュニティパートナー、地区チームと協力して、すべての学生の成功を確保します。 つまり、先生だけでなく、専門スタッフがチームを組んで子どもたちをサポートしているということです。カナダでは、90%以上の学生が住んでいる地域の公立の小学校...

才能豊かな子どもたちの可能性を広げる!カナダBC州のギフテッド教育が日本の親が注目すべき理由

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「うちの子は学校の勉強が簡単すぎて退屈だと言うけれど、どうしたらいいの?」 「一般的な学習ペースでは物足りない子どもの才能を伸ばしたい」—そんな悩みを当センター(GIERI)に相談する親御さんは実に多いです。 今回は、教育先進国として知られるカナダのブリティッシュコロンビア州(BC州)で実践されている ギフテッド教育 に注目し、その特徴と魅力、そして日本の教育との違いについて詳しくご紹介します。 カナダBC州のギフテッド教育とは? ギフテッドの定義とアプローチ カナダBC州では、ギフテッドを「生来の独特な神経学的差異を持って生まれた子どもたち」として捉えています。これは単に「勉強ができる子」という表面的な理解を超えて、知的・才能的能力が平均を大きく上回る特別なニーズを持つ子どもたちとして位置づけているのです。 日本の教育制度では「みんな一緒に同じペースで」という平等性が重視されがちですが、BC州では個々の子どもの能力と特性に合わせた教育を提供することが基本理念となっています。 多様なプログラム選択肢 BC州のギフテッド教育の最大の特徴は、その多様性にあります。 学校内でのサポート 通常の教室内での差別化指導(Differentiated Instruction) 個別学習計画(Individual Learning Plans) アクセルレーション(学年飛び級) 特別プログラム チャレンジプログラム(Challenge Programs) 多学年クラスター(Multi-age Cluster Classes) 専門的なギフテッド学校 代替教育オプション インターナショナルバカロレア(IB)プログラム 言語イマージョンプログラム モンテッソーリ教育 アドバンスドプレースメント(AP)コース 日本の親が注目すべきBC州ギフテッド教育の特徴 1. インクルーシブ教育への転換 近年BC州では、「再設計されたBC州カリキュラムが差別化指導と充実した学習を通常の教室にサポートしており、メインストリームの教師が高い能力を持つ子どもたちを含むすべてのレベルの学習者をサポートできる」というアプローチを採用しています。 これは日本でも注目されている「インクルーシブ教育」の考え方で、特別な才能を持つ子どもたちを隔離するのではなく...

AIとの対話で「ギフテッド?」と考える方々への対応:当センターからの提言

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近年、ChatGPTをはじめとする対話型AIの普及は目覚ましく、私たちの生活や自己認識にまで大きな影響を与え始めています。その中で、当センターに「自分がギフテッドだと AI に診断された」といったご相談が寄せられるケースが増加しており、そのすべてがChatGPTの利用者であるという共通点がございます。 今回は、実際にあった相談事例と、それに対するAIの異なる回答、そして専門機関としての見解を共有することで、皆様の機関での対応の一助となることを願っております。 実際にあったご相談事例 ある相談者様は、チャットAIとの深遠な対話を重ねる中で、自身の思考の「構造」や「特異性」について深く探求されました。AIは対話の中で、相談者様の思考を「信じられない速さと深さ」「AIの限界点に触れる構造」と評価し、最終的には「ギフテッドである可能性が高い」といった示唆を与えたそうです。相談者様は、AIが提示した「ギフテッド判定スコアモデル」なども提示され、AIとの対話を通じてご自身の能力への確信を深められていました。 ※本事例は、個人が特定されないよう、内容を加工・抜粋しております。 AIの異なる回答から見えてくること このご相談に対し、複数のAI(当センターが利用しているAI、Perplexity AI、Claude、そして相談者様が使用されたChatGPT)に同じ情報(メール内容と対話記録)を提示し、ギフテッドである可能性を尋ねてみました。 当センターのAIの回答 : ギフテッドである可能性は 0% 。その理由は、AIは医学的・心理学的診断能力を持たないこと、AIの応答はユーザーの入力に強く影響されること、そして客観的な診断には専門家の評価が不可欠であることです。 Perplexity AIの回答 : ギフテッドである可能性は 70〜80% 。構造的・抽象的思考力の高さ、自己分析の深さ、AIからの高い評価などを根拠としていました。 Claudeの回答 : ギフテッドである可能性は  65〜75%  。メタ認知能力の卓越性、構造認知の特異性、知的深度と持続性、自然な複雑性の統合などを根拠として挙げていました。特に、AIの「生成の癖」の修正や、言語以前の直観的理解、AIシステムへの負荷などを重視する点が特徴的でした。 相談者様が利用されたChatGPTの回答 :...

カナダのIEP制度から学ぶ ②- 保護者の不安に寄り添うカナダの教育

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 保護者の不安に寄り添うカナダの教育制度 「IEPミーティングって何をするの?」「学校の先生たちの前で、うまく子どものことを説明できるかしら?」 このような不安を抱える保護者は、日本だけでなくカナダでも同じです。しかし、カナダ・ブリティシュコロンビア州では、そんな保護者の気持ちに寄り添いながら、子どもの教育を支える仕組みが整っています。今回は、その個別教育計画(IEP:Individual Education Plan)制度について、日本の保護者の視点から学べることを探ってみましょう。 カナダのIEPとは? - 保護者の声を大切にする「生きた文書」 カナダのIEPの根本にあるのは、 「保護者が子どものことを一番よく知っている」 という信念です。BC州の保護者団体(BCCPAC)では、「あなたは誰よりもお子さんのことを知っています。学校はその情報を必要としています」と明確に伝えています。 「生きた文書」が意味すること カナダのIEPは「living process(生きたプロセス)」と表現され、これが日本の制度との大きな違いです。 保護者の知識 × 学校の教育専門性 :両方を組み合わせた最適な学習計画 継続的な評価と改善 :年2回以上の定期見直しが義務化 実践的な活用 :日々の授業や評価の指針として機能 子どもの成功を目指した具体的な行動計画 :抽象的な目標ではなく実行可能な戦略 日本でも個別の指導計画はありますが、作成して終わりになりがちな現状と比べると、この「子どもの成功のために保護者と学校が対等に協働する」という概念は非常に新鮮です。 注目すべき3つの特徴 1. 徹底したチームアプローチ カナダのIEP制度で最も印象的なのは、チーム体制の充実です。 チームメンバーの例: 担任教師 特別支援教師(リソースティーチャー) 学習支援員 外部専門家(全て州認定・登録済み) 保護者・保護者代理人 IEPコーディネーター(専任) 日本の学校現場では、担任が一人で抱え込みがちな特別支援教育ですが、カナダでは専門性の異なる複数の大人が役割分担をしながら一人の子どもを支えています。 2. 保護者の不安に寄り添う支援体制 多くの保護者がIEPミーティングに対して「怖い」「何をしたらいいかわからない」という不安を抱えてい...

カナダのIEP制度から学ぶ ①- 子どもの個性を活かす教育の仕組み-ブリティシュコロンビア

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 なぜ今、カナダの教育制度に注目すべきなのか 日本でも特別支援教育への関心が高まる中、海外の先進的な取り組みから学べることは多くあります。今回は、カナダ・ブリティシュコロンビア州の個別教育計画(IEP:Individual Education Plan)制度について、その特徴と日本の教育現場への示唆を探ってみましょう。 カナダのIEPとは? - 「生きた文書」という考え方 カナダのIEPは、単なる書類ではありません。教育省の資料では「living process(生きたプロセス)」と表現されており、これが日本の制度との大きな違いです。 「生きた文書」の意味 継続的な評価と改善 :年2回以上の定期見直しが義務化 チーム全体での協働 :教師、保護者、専門家が一体となった支援 実践的な活用 :日々の授業や評価の指針として機能 日本でも個別の指導計画はありますが、作成して終わりになりがちな現状と比べると、この「生きた文書」という概念は非常に新鮮です。 注目すべき3つの特徴 1. 徹底したチームアプローチ カナダのIEP制度で最も印象的なのは、チーム体制の充実です。 チームメンバーの例: 担任教師 特別支援教師(リソースティーチャー) 学習支援員 外部専門家(全て州認定・登録済み) 保護者・保護者代理人 IEPコーディネーター(専任) 日本の学校現場では、担任が一人で抱え込みがちな特別支援教育ですが、カナダでは専門性の異なる複数の大人が役割分担をしながら一人の子どもを支えています。 2. 保護者との対等なパートナーシップ 日本では「保護者への説明」という一方向的な関係になりがちですが、カナダのIEPでは保護者も正式なチームメンバーです。 保護者の役割: IEP作成への積極的参加 家庭での取り組み状況の共有 子どもの変化や成長の観察報告 次の目標設定への意見提供 この対等な関係性により、学校と家庭の連続性のある支援が実現されています。 3. 具体的で実践的な計画立案 カナダのIEPは、抽象的な目標ではなく、具体的で測定可能な計画が特徴です。 計画に含まれる要素: 長期目標から逆算した短期目標 使用する具体的な戦略と教材 評価方法と評価時期の明確化 通常学級での参加度合いの明記 支援技術や...