【GIERI参加レポート】Vol.2-2：「定着率93%」と「正社員登用」の両立 ― プルデンシャル生命のインクルーシブな職場

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皆様

ギフティッド国際教育研究センター（GIERI）です。

GIERI参加レポートの2社目は、プルデンシャル生命保険です。 同社は1987年に設立され、「ライフプランナー」と呼ばれる質の高い営業社員を強みとしています。

説明会では、ご自身もADHD当事者として障害者雇用で入社され、現在は人事チームで活躍されている渡辺氏が登壇されました。

同社の障害者雇用のキーワードは、「個別配置（インクルージョン）」と「キャリアアップ（正社員登用）」です。

障害の有無で分けない「個別配置」

ジブラルタ生命が「専門部署（ジェネラル・サービスチーム）」での育成を特徴としていたのに対し、プルデンシャル生命の最大の特徴は「個別配置」です。

これは、障害者雇用のための専門チームを作るのではなく、入社時から一般雇用の社員と同じチーム（人事、総務、法務、経理、IT、営業サポート部門など）へ直接配属される仕組みです。

担当する業務も、障害者雇用専用に切り出されたものではなく、各チームが従来行っている既存の業務を同様に担当します。まさに障害の有無に関わらず「融合」する、インクルーシブな環境と言えます。

高い定着率と明確なキャリアアップ

「一般社員と同じ」と聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、それを支えるサポート体制とキャリアパスが明確に示されています。

  • 高い正社員登用率： 「長く働いてもらうこと」を前提としており、正社員登用の実績が豊富です。2025年9月時点で、プルデンシャルタワー（本社）で働く障害者社員34名のうち、24名が正社員として活躍しています。登用に際して特別な試験はなく、所属部署の上長による評価・推薦を経て決定されます。

  • 登用後のキャリア： 正社員登用後は、昇給や賞与（年2ヶ月分→約5ヶ月分 ※前年度実績）、住宅手当（要件あり、月最大5万円）、退職金 といった待遇面が向上します。評価制度も一般社員と共通となり、管理職を目指すキャリアパスも開かれています。

  • 93%の高い定着率： 2024年の障害者社員の職場定着率は93%。この高い数字は、充実したサポート体制に支えられています。

定着を支えるサポートと休暇制度

「個別配置」の環境で安心して働き続けるため、以下の制度が整備されています。

  • 手厚い面談体制： 人事担当者や配属先の所属長との定期面談で、体調や業務上の困りごとを気軽に相談できる体制が整っています。また、産業医・保健師面談 や、外部のジョブコーチ支援 も希望に応じて活用可能です。

  • 特筆すべき「傷病休暇」： 同社の福利厚生で特に注目すべきは「傷病休暇」 です。これは、年次有給休暇とは別に、業務外の怪我や病気の治療（定期通院など）のために使える有給の休暇が、年間最大22日付与される制度です。通院のために貴重な有給休暇を消化せずに済むため、障害や特性と付き合いながら長く働く上で、非常に実質的なサポートとなります。

  • 柔軟な働き方： フレックス勤務制度（コアタイム11:00〜15:00） や在宅勤務制度 もあり、柔軟な働き方が可能です（※配属先により異なる）。

求人概要：一般事務職

今回の募集要項にも、これらの特徴が表れています。

  • 応募資格： 学歴不問、事務職経験1年以上。

  • 職務内容： 各種一般事務（定型・非定型含む） 。データ入力、資料作成、電話応対など、配属先の既存業務を担当します。

  • 雇用形態： 契約社員（更新の可能性あり）。正社員登用の実績多数 。

  • 選考フロー： 書類選考 → 一次面接（人事） → 選考部署検討 → 二次面接（配属部署） → 内定。

【GIERIの視点】

プルデンシャル生命は、「事務職経験1年以上」という応募要件がある通り、一定のスキルが求められます。しかしそれは、入社後すぐに「一般社員と同じインクルーシブな環境」で働くための前提条件です。

入社後は、「傷病休暇」のような実質的なサポート制度と、「正社員登用」という明確なキャリアアップの道が両立されています。説明会では、自閉症スペクトラム（ASD）の方が2024年1月に入社し、事務職経験を活かして業務改善ツールの開発などにも携わり、2025年7月に正社員登用されたキャリアモデルも紹介されました 。

「これまでの事務経験を活かしたい」「障害の有無に関わらず、平等な環境でキャリアを築きたい」と考える方にとって、理想的な環境の一つであると感じました。


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